東電批判で打ち切り寸前…映画「あいときぼうのまち」の受難
昨3日に行われた映画「あいときぼうのまち」のトークイベント。弁護士の宇都宮健児氏をゲストに招き、映画製作にかけた思いや背景などが語られたが、取材に訪れたマスコミは日刊ゲンダイ含め、たったの2社――。まさに、この映画がおかれている状況を物語っているようであった。
福島県双葉町と東京を舞台に、国の原発政策に翻弄され続けた4世代1家族の70年間に及ぶ歴史を描いた作品。福島県出身の脚本家・菅乃廣氏がメガホンを取り、3・11前後の状況にも触れるが、実はこの映画、6月21日の上映開始時から客足が伸び悩み、打ち切りもやむなしの状況だという。
関東での上映は「テアトル新宿」の一館のみ。特に単館系の作品は公開から1週間が勝負だが、初日から各回の観客動員数は50人足らずで客席はガラガラ。2週目以降は1日4回から2回に上映回数も半減となった。
公開前のメディア露出はほぼ皆無。正確にいえば、「宣伝の場が与えられなかった」(宣伝担当者)そうで、マスコミ向けの試写会を開いても、大手新聞社や一般誌の映画担当記者の姿はほとんどなかったという。