くも膜下出血から完全復活 米良美一が貫く「生への執着」
映画「もののけ姫」の主題歌などで人気の歌手、米良美一(44)がくも膜下出血で倒れ、生死の境をさまよったのは昨年12月のこと。「発見が遅れていたら死んでいた」と主治医に告げられたそうだが、2度の手術を乗り切り、リハビリもほぼ成功。14日、約10カ月ぶりにステージに立った。
「意識が回復したとき、声が出るか心配だった。最初は後遺症があってマヒが見られましたけど、今は全然ない。大変な経験をプラスに変えたい」とコンサート本番前に語った米良は「とにかく長生きしたい。皆さんに喜ばれる歌を歌いたい」と歌手活動に意欲を見せ、生きることへの執着を隠さない。
1971年、宮崎県西都市出身。古代神話が息づく「三財」という集落に生まれる。父は植林や伐採をなりわいとする山師だった。難産で生まれた米良は、両足がねじ曲がり、頭は腫れ、首は据わらず、乳を吸う力もなかった。転んだだけで手足の骨が折れてしまう先天性骨形成不全症と判明したのは6歳の時。それでもよく笑う明るい子供で、詩吟や民謡に親しみ、地域の宴会で二葉百合子の「岸壁の母」を熱唱すると、大人たちの喝采を浴びた。