30億円投じて新会社 フジテレビ「ゲーム事業拡大」の勝算
春の大改編で平日4時から19時の15時間を「オール生放送」番組に踏み切るフジテレビ。時間をかけて作り込むよりも臨場感を重視。放送事故のリスクを背負いながらの大勝負だが、実は本業以外のビジネスもドドーンと打って出る。現在行っているゲーム事業の拡大を図り、4月1日付で新会社「フジゲームス」を設立するというのだ。
「フジゲームス会社化の投資額は30億円。他の役員たちに担ぎ出された大多亮常務取締役が新会社の担当役員となり、4年で売り上げ100億円、営業利益25億円を目指すようです」(フジ社員)
エンターテインメントの演出を十八番とするテレビ局にとってゲーム業界は畑違いのビジネスではなく、実際、11年にリリースしたゲームアプリ「ブロック工場」は市場を世界に広げ、60万ダウンロードを記録する大ヒットとなったが、「それも過去の話。現状のゲーム事業は全く儲かっておらず、“どんだけどんぶり勘定だよ”と社内は冷ややかな声が大半ですね」(前出のフジ社員)。
15年度上半期の決算で1959年の開局以来、初の営業赤字(10億円)に転落したのは記憶に新しい。果たして投資に見合うリターンはあるのか。大多常務の手腕に注目だ。