役者の道ためらう加藤頼の背中を押した父・加藤剛の一言
時代劇「大岡越前」で名裁きを演じて人気だった加藤剛さん(78)は今も劇団「俳優座」の舞台に立ち続けている。加藤頼さん(36)はその次男。同じ劇団に所属し、演劇界の将来を担う存在として注目の役者だ。
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加藤剛というと、みなさん必ずといっていいほど「大岡越前」とおっしゃいますね。我が家でも毎週月曜夜8時からテレビで「大岡越前」を見るのは習慣になっていました。当時の父は、日曜の夜か月曜の朝に京都の撮影所に出かけ、金曜夜か土曜のお昼に帰ってくるというスケジュール。月曜夜に家族でテレビを見る時、父は東京にいませんでした。
ただ、たまに撮影がズレ込んで、月曜なのに家にいることもあって、そういう時は父の膝の上に乗って一緒に見た記憶があります。父が「このシーンはよかった」とか、「もっと(演技を)足した方がよかった」なんて解説してくれて。
そういう環境だから、やはり役者をやっている兄(夏原諒)は勘違いしていたんです。幼稚園で友達と話をしていた時、世の中のお父さんはみんなテレビに出ていると思っていたらしくて、「君のお父さんはいつテレビに出るの?」と聞いたそうです。