二田一比古
著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

「百恵」の2文字 表紙にあれば雑誌はバカ売れするジンクス

公開日: 更新日:

山口百恵 編

 私の芸能記者生活で、もっとも長きにわたり取材に関わったのが山口百恵さん(61=以後、敬称略)だった。改めてその足跡をたどりながら、いかに芸能メディアが百恵と寄り添ってきたかをひもとく。

 1971年にスタートした初のオーディション番組「スター誕生!」(日本テレビ系)は森昌子を皮切りに桜田淳子小泉今日子中森明菜ら多くのアイドルを輩出した。なかでも山口百恵の出現は芸能界から出版界まで、さまざまな分野に影響をもたらした。

 72年、地区予選を勝ち抜き臨んだ本選。審査員の作詞家・阿久悠氏は「青春ドラマの妹役ならいいけど、歌手は諦めたほうがいい」と厳しい意見だったが、結果は準優勝。獲得に手を挙げた事務所は20社に上った。番組を立ち上げたプロデューサー・池田文雄氏は百恵の印象をこう話していた。

「(桜田)淳子が太陽のように明るくて健康的だったのとは対照的に、百恵は影がある子でアイドルらしさはなかった。逆に“なにか持っている”という雰囲気を感じたのかもしれません」

 抽選で獲得したホリプロの創設者・堀威夫氏に後のインタビューで舞台裏を聞いたことがある。

「すでに昌子と石川さゆりがいたので、百恵も入れて“ホリプロ3人娘”を結成しようという計画があったのですが、さゆりはソロで演歌路線に行くことになり断念した」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  2. 2
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  2. 7
    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

  3. 8
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 9
    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

  5. 10
    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?

    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?