「グリア細胞」の機能低下や異常が引き起こす神経変性疾患

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 脳の「主役」は電気信号が往来する神経細胞(ニューロン)であって、電気が通らないグリア細胞は「ニューロンの脇役」あるいは「接着剤」──。かつてはそう考えられていた。実際、グリアとはギリシャ語で「接着剤」を意味する言葉に由来しており、ニューロン間を埋める詰め物と見られていた。

 ところが近年の研究で、グリア細胞は神経伝達の調整、記憶、学習、感情や意識にも深く関与し、脇役というより共演者、いやニューロンを操る「脳の支配者」であることがわかってきた。だからこそ、グリア細胞の機能低下や異常は不調や病気を呼び起こす。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。

「代表的なグリア細胞にはアストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアなどがあります。これらの細胞は、ニューロンを物理的に支える骨組み的な役割以外に、常にニューロンをモニターして、栄養成分の供給や老廃物の排出、電気信号の漏れを防ぐ絶縁体的な役割、ニューロンに取りつく異物の除去、血液脳関門の維持、神経修復など多様で重要な役割を担っています。その不調は深刻な神経疾患を引き起こすのです」

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