和田秀樹
著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

医学的には“病気のデパート”でも…「朝の3点セット」の実践で血管年齢が改善

公開日: 更新日:

 この連載でも何度となく触れているように、私の血圧や血糖値などは基準値よりかなり高く、医学的に私は“病気のデパート”です。でも、食事制限は、していません。高齢者医療に携わる中で、好きなものを食べて幸福感を味わう方が、いろいろ制限するより心も体も老化させず元気でいられることを学びましたから。

 たとえば、血圧は170㎜Hgくらいです。一時は降圧剤を服用して140まで下げたことがありますが、そうすると頭がふらふらして力がわきません。仕事や生活に支障をきたします。

 ただ、1年くらい前に喘鳴といって、のどがゼーゼーして息が切れたので、知人の病院で検査をしてもらうと、心不全と診断されました。それで利尿剤を服用するようになりました。そのおかげで息切れはなく、元気を取り戻しています。

 血糖値は300㎎/デシリットルくらいですが、660を超えたときはさすがにマズイと思いました。正常値は70~110ですから最重症レベル。それでもインスリン注射が嫌であれこれと薬を頼ったものの、思うように血糖値は下がりませんでした。

 そんなとき、血糖値を下げるには下肢の筋肉をつけることが効果的という書籍を見つけ、早速、スクワットを取り入れたところ、これがよかった。その一環で私が実践している「3点セット」を紹介します。

 朝、起きて原稿を書くときは、お腹に腹筋を刺激するパッドを巻いて、20分腹筋を刺激します。それから体幹を鍛える振動マシンに乗って10分ほどインナーマッスルをトレーニング。仕上げにスクワットを10回です。この「3点セット」を行ってから、血糖値は300を切るくらいで安定しています。

 1日に全体として30分ほどの散歩も日課です。ランチや買い物に行くときなどに太陽をたっぷりと浴びながらウオーキングしています。そうすれば、何度も触れた幸せ物質のセロトニン分泌を促すことにもなり、うつ対策になりますから、一石二鳥です。

 朝食のヨーグルトにはスパイスを加えるのが和田流です。ターメリックとコリアンダー、シナモンをミックスしたもので、これらはいずれも抗酸化作用に優れ、動脈硬化予防や血管をしなやかにすることなどが期待できます。

 3点セットをはじめとする運動やスパイスの効果などで、50代のときに80代と判定された血管年齢は、60代に回復しました。まだ実年齢をやや上回っていますが、確実に成果が出ていることが見て取れます。医学的には“病気のデパート”でしょうが、とても元気で活力に満ちあふれていて、ヨボヨボとは無縁の毎日です。

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