有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

豊田自動織機(下)「次の道の発明」の目標は正しくも、達成は至難の業

公開日: 更新日:

 TOYOTAの歴史は自動織機の発明者、豊田佐吉から始まる。佐吉は年号が明治と改まる1年前の1867(慶応3)年に、遠江国敷知郡山口村(現在の静岡県湖西市)に生まれた。

 佐吉が豊田式木鉄混製動力織機を発明・完成させたのは96(明治29)年で29歳のときだった。紡織機がブームになり、佐吉は発明王と称賛された。

 佐吉が発明の究極の目標としていたG型自動織機を完成させるのは1924(大正13)年。超高速・全自動で布を織ることができる世界初の自動織機である。

 26(大正15)年、自動織機を製造・販売するために豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)を設立した。

 トヨタ自動車が豊田自動織機製作所(以下・織機と略)の一部門として発足した経緯には、人間の夢と欲とのぶつかり合いがある。

 27(昭和2)年10月、昭和天皇から勲章を授与され、親族一同、記念撮影という晴れの席で佐吉は倒れた。そして「喜一郎、おまえは自動車をやれ」と一言、言い残して世を去った。

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