保阪正康
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保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

近衛文麿は統治権の「最後の守護者」となれなかった「悲劇の宰相」

公開日: 更新日:
開戦後の1942年1月19日、東条英機首相(前列左2)が官邸に招いた重臣たち。左列手前から平沼騏一郎、広田弘毅、首相の後ろ手前から阿部信行と林銑十郎、中央和服姿の後ろは米内光政、前列右から岡田啓介、若槻礼次郎、若槻の後ろは近衛文麿(C)共同通信社

 昭和前期の中に近衛文麿首相を位置づけるならば、「軍部に利用された首相」という語が最もふさわしい。むろんそれは近衛の政治的性格が弱かったということもあるのだが、もっと簡潔にいえば近衛という天皇の側近を通して、軍部は天皇の権力を骨抜きにしたということも言えるだろう。その点を見れば、…

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