<第12回>1.5倍増の地方巡業は「野球賭博」「八百長騒動」の損失補填

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「とにかくコストカットの嵐。例えば地方巡業の人数削減。幕下以下の力士を連れていかないことで経費を抑えた。これまでは一般客に開放、国技館の土俵で行っていた横綱審議委員会の稽古総見もそう。今は一般客には見せず、相撲教習所で行っています。準備や後片付けにかかる経費を少しでも節約したいからです。笑ってしまうのは、満員御礼の時に我々報道陣にも配られるご祝儀袋。和紙だったのが、普通の紙になってしまった。まあ、中身が10円なのは変わりませんけどね」

 とはいえ、削減にも限度があるとなれば、やはり事業収入を増やすしかない。相撲協会の収益は本場所と巡業の2本柱。前者は人気力士の出現によって順調に伸びている。となれば、後は地方巡業だ。

 ある角界OBが言う。

「昨年の地方巡業は36カ所。それを今年は1.5倍近い50カ所以上に増やすらしい。これは年90カ所だった若貴ブーム時代に次ぐ数字です。遠藤逸ノ城という人気力士が加わったものだから、地方から『ぜひ、ウチに来てくれ』という申し込みが殺到している。地方巡業は勧進元に興行権を買わせる売り興行だから、数をこなせばこなすだけもうかる。交通費や宿泊費、メシ代も勧進元持ちです」

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