高橋由伸 1日1000スイングで8キロ増
今では、「大ちゃん」なんて呼んできます。
巨人の高橋由伸は年齢では僕が4歳上ですが、もう友達のような関係。現役時代から食事にゴルフとグラウンド外でも親しく付き合った仲です。
彼が鳴り物入りで入団してきた98年、春のキャンプで最初に打撃練習を見たときは、本当に驚きましたね。当時は180センチ、79キロと線が細く、プロの体と言うにはまだ頼りなかったものの、打球の鋭さはチームでもトップクラス。なにより、ほとんどバットの芯を外さないセンスと技術は僕が見た新人選手の中ではダンゼンのナンバーワンで、「総合力では松井(秀喜)の上をいくかも」と思ったくらいです。
由伸は本当によく練習をします。あの清原和博さんをして「ホンマにようバットを振るよな」と感心させていた由伸はキャンプでは毎日、最低でも1000スイングはしていました。一口に1000スイングと言っても、やり方によっては僕でもできます。途中で片手スイングを入れてみたり、軽く振ってみたり。「毎日1000スイングがノルマ」と胸を張る練習自慢の選手でも実はこの手が少なくないのですが、由伸は最初から最後までフルスイング。当然、下半身はどっしりするし、上半身にもたくましさが出てきます。