米国で高橋尚成とビックリ仰天の再会
後輩選手で、面と向かって僕を「大ちゃん」と呼ぶのは3人だけ。ひとりは前に紹介した高橋由伸で、もうひとりは現DeNAの高橋尚成です。
同姓の由伸と尚成は生まれも同じ75年で、誕生日も4月3日と2日の1日違い。ともにドラフト1位で巨人に入団してきたものの、まさにプリンスの由伸とは対照的に社会人を経て2年遅れで入ってきた尚成を当初から僕は「ニセモノ」と呼んでいました。
「由伸は見た目も実力も本物のスター。おまえはニセモノだな、ニセモノ」
そんなふうにイジっていたら、すぐに距離が縮まり、実の兄弟のようになりました。今でも家族ぐるみの付き合いです。
1年目のキャンプで食事に誘ったのがスタートでしたが、由伸も阿部慎之助も真っ先に連れ出したのは恐らく僕です。これには理由があります。
ドラフト浪人中にハワイへ野球留学した際、現地の草野球チームに所属していたことは前に書きました。日本人は僕ひとりだけ。英語も話せず孤独感に苦しんでいた時、チームメートのオジサンがしつこいくらいに「一緒に飯を食いに行こう」と誘ってくれたのです。渋々ながら付き合うと、それがきっかけになってチームの仲間と打ち解けました。これが、うれしくて。だから、心細いであろう新人選手や一軍に上がってきた若手選手、助っ人外国人には積極的に声をかけるようにしていたのです。