「リオ五輪は金狙う」と意欲も…加速する佐々木監督解任論
7日午後、W杯開催地のカナダから帰国した「なでしこジャパン」。
前回11年ドイツ大会に続き決勝まで勝ち進んだものの、米国との一戦は2―5のワンサイドゲーム。それでも日本サッカー協会上層部は、カナダW杯で「ベスト4でプラス評価」と考えていたというから、決勝に進出した佐々木則夫監督(57)の評価は上がりさえすれ、下がることはないというのが普通だろう。
■宮間主将に「3バックはしっかり練習したのか」と問うと…
ところが、あまりにも米国戦の負けっぷりが悪かった。前半16分までに4失点。それから佐々木監督は、ボランチのMF阪口を最終ラインに組み入れたり、定番のディフェンスを4バックから急造で3バックにしたり、迷走采配を積み重ねた。
3バックに変更しようとした場面では、佐々木監督の意図がハッキリ伝わらず、阪口や右SB有吉らが右往左往。司令塔のMF宮間が呆れたような表情で、選手に持ち場に戻るように指示を出す場面もあり、ピッチ上で混乱をきたした時間帯もあった。7日の帰国会見終了後、日刊ゲンダイが宮間に「決勝でいきなり変更して対応できるだけの時間、3バックの練習をやったのですか?」と直撃すると、「練習はしました。監督の指示で動くのが選手ですから」と返答。「選手に違和感は?」には「ありません」と言い切ったが、ピッチ上では不満の色がありありだった。
いずれにしても、決勝の米国戦で指揮官に対する評価に「?」マークが付いたのは間違いない。佐々木監督の去就を巡り、協会周辺からもあれこれ聞こえてくるようになった。
「佐々木監督の契約自体は、今年の夏までなんですが、カナダW杯で1次リーグ敗退などの大惨敗でもしない限り、来年8月のリオ五輪まで延長するということで基本合意に達していた。契約延長の際にはカナダW杯の成績によって、年俸など条件面をアップさせることになっていた。しかし、米国戦の完敗劇をきっかけにチーム内部から不協和音が表面化し始め、佐々木監督の契約延長が微妙な情勢へと変化したようです」(協会関係者)