チームに馴染んだ酒井高徳 「ほとんどドイツ人」の適応力
ドイツでプレーする欧州組の中で、ドイツ人選手から「こっちの人間みたい」と言われている選手がいる。3月のW杯2次予選のアフガニスタン戦(24日)、シリア戦(29日)で日本代表の一員としてプレーした独ブンデスリーガの古豪ハンブルガーSV所属のDF酒井高徳(25)である。
そう言われたのは父・日本人と母・ドイツ人との間に生まれたハーフだから、ではない。12年頭のシュツットガルト移籍でドイツ人生がスタート。15年7月、ハンブルガーSVに新天地を求め、今年3月のヘルタ戦でブンデスリーガ通算100試合出場を記録するほど、ドイツの地に馴染んでいる。ドイツ語を流暢に操り、ドイツ人のメンタリティーも理解している。
「ドイツ人と一緒にいる方が楽な感じがする」と話す酒井高。日本代表選手を精力的にインタビューしているサッカージャーナリスト元川悦子氏が彼を直撃した――。
「移籍するたびに新しいチームで出場機会を得ることの難しさを実感しています。攻撃系の選手とは違い、守備系の選手たちはポジショニングも重要になってくるし、相手選手との距離間をどう取ればいいのか、なども難しいですからね。日頃から良い準備をし、出場のチャンスを得た時、準備したものを実戦でどれだけ出せるか、にかかってくる。フランクフルトと対戦した時、ハセさん(日本代表主将のMF長谷部誠)の“経験に基づいた”プレーが参考になりました。落ち着きがあるし、とにかく焦っている感がない。ボクなんて焦って味方選手を見ずにパスしてしまうことがある。ハセさんの落ち着きを見習いたいですね」