完投勝利の能見も球威増す 虎投手陣“筋トレ効果”はっきり
「前回は二回で降板していたから、長いイニングを投げたいと思っていた」
24日の広島戦。2失点完投勝利で2勝目を挙げた阪神の能見篤史(36)がこう言った。チーム初完投でリリーフに休養を与えたベテラン左腕に「頼りになる」とは香田投手コーチ。本人以上に笑顔だった。
今季の能見は、145キロ前後のストレートを軸に、力で押す投球が目立つ。この日は7個の三振を奪い、これで32回3分の2を投げて32三振。高い奪三振率を誇る。
「12年に最多奪三振のタイトルを獲得した能見はここ数年、投球回、奪三振数が減少傾向にあった。昨季は変化球でかわす投球が目立っていたが、今季はボールが若返っているというか、ストレートの質が良くなっている。力もキレもあるので、なかなか手ごわいよ」
とは、ライバル球団の首脳陣。そして、こう付け加えた。
「能見以上に驚いたのが左腕の岩貞。23日の広島戦では、負け投手になったものの七回途中1失点の好投。150キロ台のストレートをグイグイ投げ込んで、打者のバットがなかなか当たらない。打者に聞くと『手元でグッと伸びてくる』という。投手全体を見ても、球の力が増している印象だ」