野球賭博事件 笠原逮捕で改めて問われる巨人の“隠蔽体質”
ボヤが大火災に発展したのは初期対応が悪かったからだ。
元巨人の笠原将生容疑者(25)が賭博開帳図利幇助の疑いで逮捕された。「遅すぎる」との声もある一方で、改めて問われるのは巨人の対応の甘さと隠蔽体質だ。
笠原は14年4月、名古屋市内で一般客が入れない裏カジノでバカラ賭博をやり、カネまでもらっていた。ところが巨人は、「反社会的勢力が選手に接近してくる手口に引っ掛けられた可能性が高いと判断」しながら、笠原に下した処分は厳重注意と罰金だけだった。
この時点で巨人が「事件」を公にしていたならば、笠原はその後も違法賭博場へ出入りしたり、松本竜也、福田聡志、高木京介を野球賭博に誘うこともなかったはずだ。同時に、チーム内で賭けトランプや麻雀、多額の賭け金が動くゴルフの「握り」などが常態化していた「バクチ環境」も大幅に改善されていたに違いない。
そもそも笠原の行為は、賭博行為の禁止及び暴力団員等との交際を禁じた野球協約180条に抵触する可能性は極めて高かった。それを球団内の問題として処理した巨人の危機感の希薄さ、自浄能力の欠如には呆れるばかり。反社会的勢力との関係が出てきたら大変なので、その前に事件をモミ消したとの疑念もある。