プロ初の2連発 広島・下水流は“ホンダ部長職”を捨てた男
広島の下水流昂外野手(28)が、3日のDeNA戦でプロ初の2打席連続本塁打を放った。
六回無死一塁で代打で登場すると、左翼席へ今季2号2ラン。八回には先頭で右中間に2打席連続となるソロ本塁打を放ち、チームの5カード連続の勝ち越しに貢献した。
強豪・横浜高出身。1年からベンチ入りし、3年春の甲子園では、準決勝から不振の福田(現中日)に代わって4番に入り、全国制覇を果たした。青学大からHonda(ホンダ)へ。アマチュア野球界のエリートだが、ホンダでは工場に勤務しながら、エンジンの鋳造、不具合のチェックなど、自動車製造の心臓部ともいえる業務に携わった。12年ドラフト4位で指名。契約金は5500万円だった。ホンダ関係者がこう明かす。
「実直な人柄と青学大卒の経歴もあって、会社では野球以外でも評価され、一般社員として幹部候補生だったんです。だから、広島から指名された時は、周囲にはプロ入りに反対する声が多かった。『順調なら部長になれるだろうに、ホンダの部長職を捨てるのか?』と言う人もいたそうです。仮に部長職なら、年収は軽く1000万円は超えますから。結局、プロで勝負したいという本人の意志が固く、周囲の助言には耳を傾けなかったようですが……」