家族離散し亡命、練習場が焼失…「難民」3選手の壮絶過去
「難民選手団」から3選手が登場する。五輪に出場できる可能性がありながら、内戦などで祖国を追われた選手で構成。リオ五輪では10人が参加する。五輪では初めての試みだ。
柔道に出場するポポル・ミセンガ(24)と、ヨランデ・マビカ(28)はコンゴ民主共和国(旧ザイール)出身だ。ともに幼い頃、内戦の影響で家族と離散。13年リオの国際大会に出場した時、祖国に戻らずそのまま亡命した。ヨランデがポポルを説得したという。
お金もない状態で、ファベーラ(貧民街)のアフリカ人と共に暮らしていた。幸運にもブラジル人の柔道家と出会い、柔道を続けてきた。先月の記者会見でポポルは生き別れた兄弟を思い「テレビ観戦で自分と気付いてくれれば」と涙ながらに語った。第2の祖国ともいえるリオでどんな柔道を見せてくれるのか。
7日の100メートルバタフライに続いて100メートル自由形に登場するユスラ・マルディニ(18)はシリア出身。幼少から水泳選手として嘱望されていたが、内戦で実家も練習場も焼かれてしまう。マルディニは亡命を決意し、昨年ドイツへ向かった。トルコの険しい山を経て、ボートでギリシャまで航海。道程は命がけだった。
そこから徒歩でベルリンにたどり着き、やっとのことで水泳ができる環境をつかんだ。マルディニの泳ぎとキュートな笑顔にも注目だ。