山田隆道
著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

コロナ騒動に続き遅刻…藤浪バッシング加速の危険な兆候

公開日: 更新日:

 ただでさえ、「度重なる遅刻」という嫌な予感がよぎる症状が公になったのだ。これをただ単に素行不良だとか気が緩んでいるだとか、そういう昭和的(旧来の体育会的)な叱責で済ませるのは危険だと思う。もしかしたら、なんらかの心の問題があるかもしれない、そういうデリケートな問題にも配慮して、藤浪の今後に向き合っていくべきだろう。目的は藤浪を叩くことではなく、藤浪の再生なのだから。

 その再生について球団がどんな策を講じているのか、外野からはわからない。以前から藤浪問題は「技術orメンタル」で語られることがよくあったが、そもそも技術とメンタルは分けて考えられるものではなく、どちらも再生には不可欠な要素だろう。特にメンタルについては昨今のバッシングを考えると慎重なケアが欲しい。もはやイップスどうこうの問題だけではないように思う。

■水に落ちた犬は打つな

 もちろん、過去の自業自得はいくつもあるだろう。それは藤浪本人も痛いほどわかっているはずで、だからこそ反省の弁も述べており、それ相応の厳しい報いも十分に受けてきた。だけど、もうこれ以上は責めなくてもいいだろう。今後の藤浪が、なにをやってもネットで叩かれたりする、そういうヒール的なキャラになってしまうのは避けたい。水に落ちた犬を執拗に打つ、みたいな状態になるのが一番怖い。

 現在、藤浪は二軍からの再スタートを切っている。まだ26歳になったばかりだ。いくらでも再起のチャンスはある。私は今だからこそ、藤浪を応援しようと思う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  2. 2
    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った

    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った会員限定記事

  3. 3
    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  4. 4
    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

  5. 5
    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    石原裕次郎(13)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉

    石原裕次郎(13)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉会員限定記事

  3. 8
    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

  4. 9
    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた

    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた会員限定記事

  5. 10
    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」

    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」