鈴村裕輔
著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

薬物疑惑が左右した大リーグ「野球殿堂選考」…シェフィールドは500本塁打クリアも選外に

公開日: 更新日:

 2024年の大リーグ野球殿堂入り選手が発表され、エイドリアン・ベルトレ、トッド・ヘルトン、ジョー・マウアーの3人が選ばれた。

 殿堂入りの目安となる3000安打を記録したベルトレが選考対象1年目で選ばれたことは当然の結果だ。

「打者有利の球場」とされるクアーズフィールドを本拠地としたヘルトンではあるものの、新興球団であったロッキーズの中心選手として活躍し、2007年のリーグ優勝に貢献するなどの実績が資格取得6年目での選出につながった。

 一方、米国でも意外な人選という声が聞こえたのがマウアーだった。もちろん3回にわたり首位打者となり、守備率でも3度にわたりリーグ首位となるなど、打者としても捕手としても優れた存在だった。だが、通算成績という見た目の指標は他の打者に比べて必ずしも傑出したものではないため、資格獲得直後の選出が人々に強い印象と驚きを与えたのである。

 ただし、資格最終年となる今年、規定の75%の得票率を達成できなかったゲーリー・シェフィールドを見ると、ヘルトンとマウアーの殿堂入りには全米野球記者協会(BBWAA)の意向が強く反映されていることが分かる。すなわち、薬物問題への関与の有無だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

  2. 2
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  3. 3
    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

  4. 4
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 7
    浜辺美波は順風満帆、趣里は「ブギウギ」のインパクトが…NHK朝ドラヒロイン“その後の明暗”

    浜辺美波は順風満帆、趣里は「ブギウギ」のインパクトが…NHK朝ドラヒロイン“その後の明暗”

  3. 8
    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

  4. 9
    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚

    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚会員限定記事

  5. 10
    山下智久「ブルーモーメント」急失速は出口夏希の中国語が原因? 興奮すると飛び出す“ナゾ設定”

    山下智久「ブルーモーメント」急失速は出口夏希の中国語が原因? 興奮すると飛び出す“ナゾ設定”