大谷の強力後ろ盾を丸裸!カネは出しても口は出さない金満オーナー&引く手あまたの敏腕編成本部長

公開日: 更新日:

スターに甘いオーナーの存在がアダになる恐れ

■マーク・ウォルター(球団オーナー)

 ドジャースを運営する投資家グループ「グッゲンハイム・ベースボール」の筆頭オーナーを務めるのがマーク・ウォルター氏(64)だ。

 投資顧問会社「グッゲンハイム・パートナーズ」のCEО(最高経営責任者)を務め、2012年にドジャースを北米プロスポーツ史上最高額の20億ドル(当時約1660億円)で買収した。米経済誌「フォーブス」によれば、個人の保有資産は58億ドル(約8700億円)でメジャーのオーナーでは5番目の富豪だ。

 野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏がこう言う。

「シカゴで起業した金融会社を、国際市場に目を向けて世界的な投資顧問会社へと成長させた。長期的な視点に立った投資を行っており、スタートアップ企業への資金調達も積極的に行っています。大谷と10年契約を結んだのは長期保有することで、投打の二刀流としての戦力はもちろん、球団ビジネスで継続して利益を生み出すと計算してのものでしょう」

 球団買収後は巨額の資金を投じて選手をかき集めた。12年には若手有望株との交換でレッドソックスからエース右腕ベケット、主砲A・ゴンザレスらを複数トレードで獲得するなど、総額2億7000万ドル(当時約216億円)の大型補強を行った。

 その後も、FAでの補強を繰り返したが世界一には届かず、13年にリーグ優勝決定戦で敗退し、チーム運営の見直しを図った。

 ウォール街出身のGMとしてア・リーグのお荷物球団だったレイズを強豪に押し上げたアンドリュー・フリードマン氏(現編成本部長)を引き抜き、緻密な統計データに基づいた戦力補強を行うと同時に、マイナー組織の充実を図り、名門球団を復活させた。

「フリードマンを編成本部長に据えたのは、オーナーグループの決定ですが、ウォルター氏は普段、本業である投資顧問会社が本拠を構えるシカゴで職務をこなしており、球団運営にはほとんど口を挟みません。『カネは出しても口は出さない』タイプで、大谷が昨季まで所属したエンゼルスのモレノ・オーナーとは真逆のタイプです。大型契約を結んだ選手に寛容なところがあり、ここ数年は故障もあって結果を出せないエース左腕カーショーを功労者として扱うなど、1997年まで球団を保有していたオマリー一族のようにファミリー的な一面も持ち合わせています。大谷はおごるタイプではありませんが、オーナーのスター選手への甘さが将来的に不協和音につながるかもしれない」(米放送関係者)

 10年契約を満了する条件としてオーナーと編成本部長の“続投”を挙げた大谷とは一蓮托生。異例の契約として注目されたが、オーナーの寛容さがアダになりかねない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと

    マレーシア「ららぽーと」に地元住民がソッポ…最大の誤算は歴史遺産を甘く見たこと

  3. 3
    ドジャース山本由伸いきなり「投手史上最高の465億円」は“佐々木朗希込み”の値段だったか

    ドジャース山本由伸いきなり「投手史上最高の465億円」は“佐々木朗希込み”の値段だったか

  4. 4
    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

  5. 5
    阪神・岡田監督に「契約延長説」急浮上…勇退説から二転三転も、背景に夫人のサポート

    阪神・岡田監督に「契約延長説」急浮上…勇退説から二転三転も、背景に夫人のサポート

  1. 6
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 7
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  3. 8
    一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで

    一人横綱・照ノ富士が満身創痍でも引退できない複雑事情…両膝と腰に爆弾抱え、糖尿病まで

  4. 9
    「飲みィのやりィのやりまくり…」高市早苗氏がブチまけていた“肉食自伝”の衝撃!

    「飲みィのやりィのやりまくり…」高市早苗氏がブチまけていた“肉食自伝”の衝撃!

  5. 10
    野茂英雄氏と借金トラブル 元1億円投手の佐野慈紀さんは今

    野茂英雄氏と借金トラブル 元1億円投手の佐野慈紀さんは今