女性アスリートは「生理」にどう対処しているのか
「明日は大事な試合なのに生理が……」
女性アスリートの多くがそんな悩みを抱えている。
五輪や世界選手権などの代表に選ばれると、低用量ピルなどを使って月経周期を調整し、本番に臨む選手もいることはいる。だが、日本代表になるようなトップアスリートでも、知識不足やドーピングになるとの誤解があり、薬の服用に抵抗があるため、生理日をズラす選手は非常にまれだ。この点は欧米に比べてはるかに遅れている。
生理中の腰痛や腹痛、頭痛などの他、生理前のイライラや体重増など、程度の差はあっても、何かしらの体調不良を抱えながら試合に臨めば、本来の実力を発揮できない。メダル候補として五輪に出場し、症状が重くて惨敗。「生理中でなければ金メダルが取れたのに……」と悔やんでも後の祭りだ。
国立スポーツ科学センターの専門家は、生理の時期をコントロールする方法とリスクを正しく理解した上で、薬を使うか使わないかを決めて欲しいと言う。
プレーに支障を来すといっても、その「影響」には個人差がある。例えば、シーズン中は毎週試合があるゴルフの女子プロの場合は、「急にショートパットが入らなくなる」「ドライバーの飛距離が10ヤードぐらい落ちる」「アイアンの距離感が狂ってしまう」「下半身に力が入らない」「方向性が悪くなる」などの症状が出るという。
こんな理由でスコアを突然崩す者もいるのだ。