本の森
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「奴隷たちの秘密の薬」ロンダ・シービンガー著、小川眞里子、鶴田想人、並河葉子訳
「奴隷たちの秘密の薬」ロンダ・シービンガー著、小川眞里子、鶴田想人、並河葉子訳 18世紀のカリブ海地域で奴隷とされていたアフリカ人やアメリカ先住民の女性の間ではオウコチョウという植物が中絶薬と…
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「哀しいカフェのバラード」カーソン・マッカラーズ著 村上春樹訳 山本容子イラスト
「哀しいカフェのバラード」カーソン・マッカラーズ著 村上春樹訳 山本容子イラスト バラード(バラッド)は、時事的な内容やゴシップなどを路上で大衆に向けて歌い知らせるブロードサイド・バラッドをも…
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「未整理な人類」インベカヲリ☆著
「未整理な人類」インベカヲリ☆著 郵便ポストに高野豆腐2丁を入れたとして逮捕された女性、アイスクリーム、チョコレート、プリンといった甘いものを好んで盗み食いする事務所荒らしの男性、お地蔵さんを…
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「吾妻鏡」藪本勝治著
「吾妻鏡」藪本勝治著 日本の偽史、偽文書といえば、東日流外三郡誌、竹内文献、椿井文書などが有名だ。ウソと知りつつも何か妙な想像力をかき立てられてしまい、一定の偽史ファンも存在する。しかし、「正…
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「謎とき百人一首」ピーター・J・マクミラン著
「謎とき百人一首」ピーター・J・マクミラン著 アイルランドで生まれ、数十年前に来日し、英文学者、翻訳家、作家として活動している著者が最初に手掛けたのが「百人一首」の英訳だ。本書は「百人一首」の…
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「カタツムリから見た世界」トム・ヴァン・ドゥーレン著 西尾義人訳
「カタツムリから見た世界」トム・ヴァン・ドゥーレン著 西尾義人訳 民俗学者の柳田国男は「蝸牛考」で、カタツムリの呼び名が京都を中心としてデデムシ→マイマイ→カタツムリ→ツブリ→ナメクジというよ…
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「チャップリンが見たファシズム」大野裕之著
「チャップリンが見たファシズム」大野裕之著 1932年の五・一五事件では犬養毅首相が暗殺されたが、実はこの暗殺の標的に喜劇王チャップリンも挙がっていたことが知られている。このときチャップリンは…
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「左利きの歴史」ピエール=ミシェル・ベルトラン著 久保田剛史訳
「左利きの歴史」ピエール=ミシェル・ベルトラン著 久保田剛史訳 左利きの人の割合は約1割といわれている。かつては右利きに矯正することが多かったが、近年は無理な矯正はストレスがかかることなどから…
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「女らしさの神話」ベティ・フリーダン著 荻野美穂訳
「女らしさの神話」ベティ・フリーダン著 荻野美穂訳 1950年代末から60年代にかけて、「うちのママは世界一」や「パパは何でも知っている」といったアメリカのホームドラマが日本でも放映されていた…
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「博学者」ピーター・バーク著、井山弘幸訳
「博学者」ピーター・バーク著、井山弘幸訳 世の中には、なんでそんなことまで知っているのだろうと瞠目せずにはいられない物知りがいる。博識、博覧強記、博学多識、学識者、ゼネラリスト、生き字引(ウオ…
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「噓の真理」ジャン=リュック・ナンシー著 柿並良佑訳
「噓の真理」ジャン=リュック・ナンシー著 柿並良佑訳 今秋始まったテレビドラマ「嘘解きレトリック」は、人の嘘が聞き分けられる能力を持つ主人公と貧乏探偵とが事件を解決していくというもの。主人公は…
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「『ビックリハウス』と政治関心の戦後史」富永京子著
「『ビックリハウス』と政治関心の戦後史」富永京子著 日本人の政治関心への低さは世論調査などで指摘されるところで、とりわけ若者のそれはネガティブな文脈で語られることが多い。そして、その原因とされ…
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「女の氏名誕生」尾脇秀和著
「女の氏名誕生」尾脇秀和著 就任以来、朝令暮改的な発言が目立つ石破自民党総裁だが、選択的夫婦別姓問題もそのひとつ。総裁選では賛成姿勢を示していたが、就任後は「個人的な見解を申し上げることは差し…
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「陰陽師の平安時代」中島和歌子著
「陰陽師の平安時代」中島和歌子著 今年の4月に公開された映画「陰陽師0」は、安倍晴明生誕1100年を記念して晴明の青年時代を描いたもの。野村萬斎主演の「陰陽師」以来、広く名を知られるようになっ…
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「オリヴァー・サックス」オリヴァー・サックス著 田村浩二訳
「オリヴァー・サックス」オリヴァー・サックス著 田村浩二訳 オリヴァー・サックスの名前が日本で知られるようになったのは、映画「レナードの朝」の公開がきっかけだったろう。嗜眠性脳炎で眠り続けてい…
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「50万語を編む」松井栄一著、佐藤宏編
「50万語を編む」松井栄一著、佐藤宏編 日本初の近代的国語辞典、大槻文彦の「言海」が刊行されたのは150年ほど前。以来多くの国語辞典が作られてきたが、「大日本国語辞典」(1915-19)は収録…
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「エビデンスを嫌う人たち」リー・マッキンタイア著 西尾義人訳
「エビデンスを嫌う人たち」リー・マッキンタイア著 西尾義人訳 9月に入っても猛暑続きで地球温暖化を実感するこの頃だが、米国では気候変動という現象はデマであり、あったとしてもそれは「人類のせい」…
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「新装版 ペルーからきた私の娘」藤本和子著
「新装版 ペルーからきた私の娘」藤本和子著 藤本和子といえば「アメリカの鱒釣り」などのリチャード・ブローティガンの翻訳者としてよく知られているが、聞き書きの手法を生かしたエッセーの書き手として…
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「日本語と漢字」今野真二著
「日本語と漢字」今野真二著 サブタイトルに「正書法がないことばの歴史」とある。音声言語を文字化するときに文字化の仕方が1つしかなければ、その言語は正書法があるという。一方、英語のheartを心…
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「能力で人を分けなくなる日」最首悟著
「能力で人を分けなくなる日」最首悟著 最首悟は東京大学全学助手共闘会議に参加。その後、同大教養学部助手を27年間務める。1977年から水俣病の被害者や地域住民から話を聞く研究者集団「不知火海総…