平成の経済事件簿
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JAL倒産<下>稲盛和夫会長「日航は八百屋も経営できず」
国土交通相の前原誠司が日本航空(JAL)再生の切り札として白羽の矢を立てたのは、京セラ名誉会長の稲盛和夫だった。前原の選挙区は京都。京セラは京都を代表するハイテク企業のひとつだ。地縁もあって稲盛は長…
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JAL倒産<上>民主党政権が「実績」づくりに利用したのか
日本航空(JAL)破綻の直接の引き金になったのは、2008年のリーマン・ショックがもたらした世界規模での金融危機だった。ビジネスマンの往来が減った上に、観光客も少なくなり、エアラインの利用客が激減し…
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ネットバブル崩壊<下>大暴落の引き金を引いた「光通信」株
ソフトバンクの孫正義と光通信の重田康光の2人の社長に、株式上場を目指す若手ベンチャー起業家たちは憧れた。 携帯電話の販売会社、光通信の株価の急騰が重田に巨万の富をもたらした。1999年の東証…
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ネットバブル崩壊<上>発端は孫正義の「日本版ナスダック」
2000年2月2日、東京・六本木のディスコ「ヴェルファーレ」は2000人超のIT関係者で埋め尽くされた。 ソフトバンク社長の孫正義が、「スイスの世界経済フォーラム、ダボス会議から3000万円…
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シャープ<下>派閥抗争の果てに 当事者能力を失った経営陣
「千里から天理へ」。長く語り継がれている、シャープの2代目社長・佐伯旭の決断である。 奈良・天理市に半導体の生産拠点、総合開発センターを建設するか。それとも大阪・吹田市の千里丘陵で開かれる日本…
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シャープ<上>16年台湾・鴻海の軍門に下る…革新機構は敗北
「シャープは日本の企業のコーポレートガバナンス(企業統治)の試金石」――。 海外のメディアや機関投資家はこうみていた。 シャープの支援に、経済産業省の別動隊といわれている政府系ファンド…
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住銀・イトマン<下>“磯田天皇”の親バカが傷口を広げた
「園子です、河村さん。早速ですが、実はピサが買い付けを予定しているロートレック・コレクションの絵画類があるんです。イトマンさんで買っていただけませんでしょうか」 首都高速を走行中のイトマン社長…
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住銀・イトマン<上>戦後最大の経済事件で暗躍した人々
2019年5月1日に新元号にかわる。1989(平成元)年12月29日に、日経平均株価は3万8915円の史上最高値をつけた。だが、株価はそこから急落。日本はバブル崩壊の道を歩み始める。金融・経済危機が…