ファクトチェック・ニッポン!
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大学で相次ぐ差別発言「使えない教養より実学重視」の弊害
「アメリカの大学って、一般教養に力を入れているんですよ」 去年訪米した際、名門コロンビア大学で研究員をしているNHKの元同僚がそう話していた。 「最先端の研究をしている学生がニーチェとか…
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あなたも覚える違和感 政治資金収支報告書のチェックを
国会議員の政治と金の報告書が公開された。これは政治資金収支報告書(以下、報告書)と呼ばれるもので、政治家が持つ政治団体の金の出入りを記録したものだ。毎年11月に、前の年の1年間の資金の動きが公にされ…
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「決算の参院」としての存在感を示して 責任は極めて重い
各省庁推薦は1万5000人のうち6000人……それ以外の9000人のうち、自民党関係者の推薦が6000人、首相から1000人、副総理、官房長、官房副長官から計1000人……。 桜を見る会の審…
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「桜を見る会」問題 国会では真相の究明のみ全力を尽くせ
「夕食会を含めて、旅費、宿泊費等すべての費用は参加者の自己負担で支払われている……受付終了後に集金してすべての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされた」 安…
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何度でも書く!トランプ大統領とは距離を置いた方がいい
「しかし、日本にとってトランプ大統領は良い大統領だ」 私がトランプ大統領の問題点を指摘すると、決まってこうした反応が返ってくる。これは安倍総理が再三強調するトランプ大統領との個人的な関係が人々…
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黒田征太郎の“魂の絵筆”に打ち震えた「ナンジャン」の夜
夜の寺の境内で、それまで響き渡っていたドラムの音がやんだ。同時に、ドラムのすぐ隣でそれまで激しく動いていた黒田征太郎の動きが止まった。黒田の前の大きな絵に照明があたる。それは黒田がドラムの音に合わせ…
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見るのも“不自由”だった表現の不自由展で感じた小さな希望
目の前に43インチ程度のスクリーンが2つ置かれて、若い男性が声を張り上げている。 「ここに数字が映し出されますので、それをリストバンドの数字と確認してください。抽選に当たった方の数字が出ます」…
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台本はありません…NHK在籍歴25年の私には軽い衝撃だった
「ちちんぷいぷい」 「痛いの痛いの飛んでいけ」と続くこのおまじない。関西に住んだことのある人は、これを耳にするとテレビ番組を思い浮かべるだろう。1999年から続く毎日放送の平日午後のバラエティー…
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もう始まっている情報戦争 緊迫する香港情勢は明日の台湾
「中国による情報戦争は既に始まっている」 台湾のジャーナリストがそう語った。台湾でファクトチェックを行うメディアで編集長を務める陳慧敏。台湾を代表するジャーナリストが言った情報戦とはどういう意…
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トランプ政権直撃のウクライナ疑惑 何が問題の核心なのか
「この文書の公開は大統領の指示による。2019年9月24日」 その下に、「ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談」と書かれている。これが今、トランプ政権を直撃しているウクライナ疑惑の根幹と…
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アメリカの中東観は民主的かどうかではなく、親米か反米か
サウジアラビアの油田施設が攻撃され、武装勢力が犯行声明を出した。しかし、トランプ政権はイランによるものと主張して強硬的な姿勢を強めている。 日本ではトランプ大統領のイランに対する強硬的な姿勢…
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「ナンジャン」開催!壁を越える取り組みが大阪で始まった
壁はそこに立っていた。その昔、民族の分断の象徴だったベルリンの壁。多くの人がそれを乗り越えようとして命を落とした壁。 9月13日、イラストレーターの黒田征太郎は、大阪でその壁と向き合っていた…
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沖縄の政治家は保守も革新も瀬長亀次郎の残像を残している
夕暮れ時、大阪・大正区の広場で集まった人々の視線を浴びる男性。ギターを弾き、熱唱する。 「And darling,darling,stand by me……」 よく通る声がほろ酔い気分…
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和歌山大学で「知の巨人」南方熊楠の再来に会ってきた
和歌山の知の巨人と言えば南方熊楠だろう。名誉や肩書など求めず、ひたすら生物学に没頭した異才だ。その地に、新たな知の巨人がいると聞いて和歌山大学へ向かった。 パソコン機器が並ぶ大部屋。そこで学…
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独裁政権下で築かれた日韓関係…文大統領は特異な存在か?
「私たちの祖先が荒波を渡って相手の元へと渡ることを可能にしたのは、友情と歓待の力でした。強風が波を起こすように、両国関係は常に順調に進んでゆくだけではないかもしれません」 文在寅大統領が自伝「…
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「戦後100年は忘れない」韓国・知日派元准将の言葉の重み
8月15日は日本では終戦の日、韓国では主権回復を祝う光復節。その光復節での文在寅大統領の発言が比較的、日本に対して厳しくなかったことを翌16日の各紙が報じている。しかし、毎日新聞の社説には驚いた。日…
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「N国」はNHKをぶっ壊して…で、どうするのか?
「大変だよ。今、『とにかく、不祥事を起こすな』と現場は大騒ぎだ」 今、NHK時代の同僚と話すとそういう話が聞かれる。「N国」、つまり「NHKから国民を守る党」への対策なのだという。 「立…
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佐戸未和さん七回忌…報道とは人の道に報いることである
6年前の参院選の後に31歳の若さで過労死したNHK記者の佐戸未和さん。7月28日、彼女の七回忌が行われ、友人、知人らが彼女の死を悼み、彼女をしのんだ。しかし、そこには苦楽を共にしたはずのNHKの東京…
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なぜ日本の検察にはロバート・モラーがいないのか?
「(トランプ)大統領は、司法妨害はなかったと繰り返し主張しているが、それは(捜査)報告書が伝えていることですか?」 「違います」 7月24日、アメリカ下院で開かれた公聴会。質問にそう答え…
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参議院選挙の最大の敗者は「事実」という深刻な事態
参議院選挙が終わった。多くのものが負けた選挙だったという印象だ。まず投票率の低さは有権者の負けであり、政治の負けであり、日本の民主主義の負けと言えるだろう。1人区の状況を見れば野党共闘は負けだろうし…