2020年東京大会へ 実践五輪批判
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「東京オリンピックどころではない」という声に反論する
2020年が明けた。オリンピックイヤー到来である。早速、我が国では金メダル狂奏曲がテレビや新聞を賑わせている。 しかし、世界情勢は混迷の度を増すばかりだ。新年早々、米国大統領の命を受け、米軍…
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五輪記録映画に思う…伝えるべきは「記録」でなく「記憶」
国立映画アーカイブが今月22日まで、「オリンピック記録映画特集―より速く、より高く、より強く」と題して、1912年ストックホルムから98年長野までの23作品を一挙に上映している。 オリンピズ…
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川井梨紗子も告発…スポーツ団体のパワハラ問題をひもとく
東京五輪女子レスリング57キロ級代表に内定している川井梨紗子選手(リオ五輪金メダリスト)が、出身である石川県のスポーツ特別賞贈呈式出席後に同県レスリング協会の下池新悟会長による暴言と両親への長年の嫌…
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五輪参加危機 ロシアのドーピング問題で見えるWADAの矛盾
ロシア選手団の東京五輪参加が危ぶまれる事態になってきた。ロシアアンチドーピング機関(RUSADA)のユーリー・ガヌス所長が今月上旬に、ポーランドで開催された世界アンチドーピング機関(WADA)の会議…
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本物のアスリートファーストで「悪者」になれたのは誰か?
国際オリンピック委員会(IOC)がマラソンと競歩の会場変更を決めたニュースに沸いたこの2週間、一日に何本ものテレビに出演し、IOCの決心を極めて冷静に解説してきたつもりだった。しかし、いまだに多くの…
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マラソン・競歩札幌実施案 憂慮すべきは都と組織委の関係
「国際オリンピック委員会(IOC)がマラソンと競歩を札幌に移す計画を発表」 10月16日発のIOCリリースは衝撃だった。開催まで1年を切っている時期に、五輪の象徴的な種目であるマラソンの会場を…
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ラグビーW杯日本代表メンバーに見る多様性尊重の具現化
ラグビーW杯は日本代表の快進撃のおかげで空前の盛り上がりを見せている。大会直前までの静けさを心配していた私を嘲笑うかのようだ。しかし、冷静に日本代表メンバーを見てみると31人中15人が海外出身で、そ…
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JOC山下新会長が批判覚悟で理事会を非公開にした真の思惑
日本オリンピック委員会(JOC)新会長が打ち出した新方針により、9月10日完全非公開の理事会が開催された。非公開の話は6月に山下泰裕体制がスタートした直後から私の耳にも届いていたが、現実になるとは驚…
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お台場の水質汚染 露呈した問題を問題として捉えない姿勢
2020年東京五輪招致のスローガンは「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」であった。スポーツの力で、オリンピック・パラリンピックの力で、ニッポン復活を目指すとしていた。 果たしてこの夢は実…
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日韓関係悪化の今こそ「五輪憲章」を正しく理解するべき
韓国がGSOMIA破棄を決め、日韓関係に暗雲垂れ込める状況が続く。かような時にこそスポーツの持つ人と人を結びつける力を期待する。 韓国の「2018平昌記念財団」が、スピードスケート女子500…
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アジアスポーツ界の分裂危機を救った「広島平和記念式典」
8月になると思い出す情景がある。今から28年前のことだ。その日も暑い日だった。黒いネクタイを締めたワイシャツの襟に汗が伝わる。粛々と平和の祈りが続く中、被爆した人々の御霊に心を寄せると暑さもセミの鳴…
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世界水泳の表彰台で見えたナショナリズムと人種間権力争い
7月28日まで韓国・光州で開催されていた第18回世界水泳選手権は、ドーピング問題で揺れた。2012年ロンドン、16年リオと五輪2大会の金メダリスト、孫楊選手(中国)が同大会の男子自由形400メートル…
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会場を視察 選手村の概念を崩壊させるJOC特設食堂の危険性
先日、五輪会場予定地を視察する機会に恵まれた。東京湾をクルーズしながら、東京ベイゾーンの会場を解説するツアーだった。唯一、陸に上がった現場は選手村となる中央区晴海エリアで、まさにマンションの建築現場…
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JOC山下新体制 女性官僚の固辞こそオリンピズムへの敬意
6月27日、日本オリンピック委員会(JOC)の新会長に山下泰裕氏が就任した。東京五輪を1年後に控えるホストNOC(国内オリンピック委員会)のリーダーとして、五輪金メダリストで人格者といわれる柔道家の…
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IOCバッハ会長いよいよG20出席へ 期待される巧みなタクト
いよいよバッハ交響楽団到来! である。今月下旬開催のG20(大阪)に、IOCのトーマス・バッハ会長が出席する意向だという。7月24日の東京五輪1年前イベントには来るか来ないか組織委をヤキモキさせてい…
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東京五輪の真意 聖火リレーの歴史と本質を理解しているか
オリンピックへの関心は日に日に高くなっている。五輪スポンサーでもあるメディアが盛り上げるからだ。先日、聖火リレーのルート概要を組織委が発表して各メディアが大きく取り上げた。いつもはスポーツに厳しい目…
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オリンピズムに逆行する太田雄貴会長の「英語選考」
2017年8月、日本フェンシング協会会長に五輪2大会銀メダリストの太田雄貴氏が就任したニュースは、私にとって朗報だった。トーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長もフェンシングの金メダリス…
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東京五輪のチケット販売方法で問われる組織委の力量と本質
東京五輪のチケット抽選申し込みが始まった。東京五輪収入予算6000億円のうち、チケット収入は820億円が見込まれている。入場券販売はオリンピックマーケティングの重要な一角で、その売り方で組織委の力量…
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失言や失態だけじゃない 桜田五輪大臣辞任「本当の理由」
4月10日、桜田義孝氏が五輪大臣を辞任した。数々の失言や失態が重なり、誰もがいつ辞めても不思議はないと思っていただろう。 衆議院議員を7期務め、黙っていればそれなりの実力者である。その桜田氏…
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政治がスポーツ界を支配する構図を見落としてはいけない
2020年に東京五輪がやってくる。1964年が純粋に五輪理念を象徴したのに対し、混迷深まる現世界で東京五輪は何を現実化するのか? そもそもオリンピックが求めているものは何か。世界の変革である…