毎年400件超「後継者難倒産」売り手と買い手 中小企業の経営者が「M&A」で必要な知識

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 地方の中小企業が抱える問題としてよく話題に上るのが、後継者不在の問題である。日本政策金融公庫の調査によれば、60歳以上の経営者の過半数が将来的な廃業を予定していて、その理由の約3割がなんと「後継者難」だという。

 たとえ事業が黒字でも、後継者が見つからないことで廃業に至る企業も少なくない。帝国データバンクによれば、「後継者難倒産」は毎年400件超発生している。『ローカルM&A』の著者であり、株式会社絆コーポレーション代表取締役社長の小川潤也氏が解説する。(以下、本文から抜粋しています)

■M&Aにおける買い手の事情

 私は、地方都市の中小企業の経営者がM&Aで会社を譲渡する際に困らないよう、必要な知識を知ってもらいたいと考えていますが、それと同時に、M&Aで事業を拡大していきたい買い手側にも、うまく買収するために知っておくべきことがあるとお伝えしたいのです。

 M&Aの売り手側には、高齢で引退を考えているのに後継者が見つからない経営者が多く、言ってみれば撤退戦です。

 それに対して買い手側は、ビジネスが波に乗っていて資金に余裕があり、さらなる成長を積極的に求めてM&Aに乗り出していることが多いものです。

 ですから、どうしても狩猟民族的な発想になりますし、立場的にも優位になるのですが、そこに甘えて「こんな会社を買うのは私たちしかいませんよ」とか「これだけの欠点があるからそんな価格は出せません」とか、対象企業のネガティブな面ばかり見てしまうと交渉はうまくいかず、成約に至りません。

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