小林佳樹
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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

ダイソーは出資4億円→500億円で回収し大儲けだが…誤算は韓国市場への橋頭堡を失うこと

公開日: 更新日:

 韓国で生活用品店「ダイソー」を運営する「牙城ダイソー」は12月12日、第2位株主である大創産業が保有する自社の持ち株すべてを買い取ったと発表した。日本の大創産業は2001年、約4億円を投資し、牙城ダイソーの株式約34%強を取得し、合弁契約を結んでいた。牙城ダイソーは今回、大創産業の全持ち株を取得することで、完全な韓国資本の企業となる。取得金額は約5000億ウオン(約550億円)とされる。

 韓国メディアによると、「大創産業が経営参加と配当金増額を要求したため、朴正夫会長が株式取得を決めた」という。牙城ダイソーは「韓国の地元企業に生まれ変わるために下した決定だ」と説明した。牙城ダイソーは韓国に約1500店舗を有するが、大創産業と人的交流や協業は行っていなかった。

 牙城ダイソーの前身は1992年、朴正夫会長が創業した牙城産業だ。2001年、大創産業が出資し、社名を「アソンダイソー」に変更した。ただ、「13年と19年に反日感情が高まった際、日本企業が第2位株主ということで、不買運動の対象になったこともある」(大手証券幹部)という。

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