六川亨
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六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

中村俊輔、本田圭佑、遠藤保仁…日本代表「FKの名手」の系譜は途絶えてしまうのか(下)

公開日: 更新日:

中村俊輔の〈悪魔のような弾道〉

 日本代表はもちろん、所属先の横浜F・マリノスやセルチックでも印象深いゴールを決めてきた。そんな中村俊輔の伝説的なFKをあげるとしたらーー。

 2003年にフランスで開催されたコンフェデレーションズカップのフランス戦で決めたゴールも素晴らしいが、2002年5月2日に神戸ウイングスタジアムで開催されたキリンカップ・ホンジュラス戦の2ゴールを挙げたい。

 日韓W杯の最終メンバーが発表されるのは5月17日と決まっていた。このため4月29日のスロバキア戦、5月2日のホンジュラス戦、5月7日にマドリードで行われたレアル戦、そして5月14日にオスロで行われたノルウェー戦の4試合が、選手にとって最終アピールの場だった。

 当時の日本代表の中盤には中田英寿小野伸二の天才肌の選手に加えて小笠原満男稲本潤一ら攻守に能力を発揮できる選手など多彩な顔ぶれが揃っていた。

 中村はホンジュラス戦の前半26分、波戸康広が触ったFKのボールに左足を振り抜くとボールはGKの頭上を抜いてホンジュラスゴールに突き刺さった。

 さらに1-2で迎えた前半41分、右CKから放たれた左足シュートはGKを越えてから大きく曲がって落ち、左ポストを叩いてゴールに吸い込まれた。GKからすれば〈悪魔のような弾道〉だった。

 コーナーフラッグ付近で「見たか!」とばかりにガッツポーズの中村。トルシエ監督に対してこれ以上にないアピールだった。だが、それでもW杯の最終メンバーから外れた。

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