サイド“二枚看板”伊東&三笘に立ちはだかるスペイン鉄壁の守備網 日本に攻略法はあるのか

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 W杯優勝4回のドイツに逆転勝ちし、スペインにボコボコにされたコスタリカを攻めあぐんだ挙げ句に0-1負け。森保ジャパンは強くなったのか、それとも相変わらず勝負弱いのか、いまひとつ判然としないサッカーファンも多いだろう。ともあれ日本が決勝トーナメント進出を決定付けるためには、3試合目の相手スペインから勝ち点3をゲットしなければならない。スペインのストロングポイントは? 攻守に穴は存在するのか? 攻略法はあるのか? 元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏に聞いた──。

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■勝利と理想を追求するスペイン指揮官

 スペイン代表を指揮するのは、現役時代にスペイン2大巨頭クラブのレアル・マドリードとバルセロナでプレー経験のあるルイス・エンリケ監督(52)。1994年アメリカ、98年フランス、02年日韓のW杯に出場。指導者に転身して14年にバルセロナを率いてリーグ、国王杯、欧州CLの3冠制覇。18年7月にスペイン代表監督に就任した。

「現役時代は中盤の複数ポジションをこなし、クレバーなプレーが持ち味でした。レアルで勝利至上主義のサッカーを叩き込まれ、バルサではポゼッション重視のクリエーティブなサッカーを実践した。両クラブの良いところを併せ持った指導者と言えます。選手選考の際は、所属クラブや代表での実績に頼るのではなく、あくまで<理想のサッカーに適合する選手を選ぶ>タイプ。若手を大胆に抜擢するのも特徴です」(中山氏)

 今回のスペイン代表の平均年齢は25.65歳。32カ国で3番目に若い。18歳のMFガビ、20歳のMFペドリ、20歳FWのウィリアムス、ピノ、アンス・ファティ、21歳のDFガルシア、22歳のDFギジャモン、FWのF・トーレス……。大会開幕直前の18日、ケガでチームを離脱した27歳DFガヤに代わって招集されたのは、19歳の左SBバルデだった。そのバルデはコスタリカ戦、ドイツ戦に交代出場している。

 日本は二枚看板の「右の伊東純也・左の三笘薫」の両サイドアタッカーが果敢に仕掛け、ゴールを狙っていきたい。

「伊東は、33歳左SBジョルディ・アルバ(バルセロナ)とのマッチアップとなります。攻撃参加が持ち味の選手なので日本の右サイドを攻め上がって生じる<スペインの左サイドに空いたスペース>を伊東が突き、どれだけ良質なクロスを放り込めるか、それが鍵となります。しかし、11年からスペイン代表の常連として12年ユーロ優勝、14年、18年W杯出場、21年ユーロ4強など百戦錬磨のアルバ相手に伊東が何度も攻め入るイメージは湧いてこない。一方で左の三笘の前に立ちはだかるのが、コスタリカ戦に先発したチェルシーに所属する右SBアスピリクエタ(33)です。サッカーIQが高く、守備的なプレーすべてを高い次元でこなす。堅守という言葉の似合う選手と言えます。スピードにもドリブル突破にもフェイントにも好対応できるので三笘がヌルヌルドリブルを駆使しても、抜き去ってゴールチャンスを構築するのは、至難のワザだと思います」(中山氏)

 アルバはドイツ戦の後半、鋭い攻め上がりから精度の高いグラウンダーのクロスを供給して先制点をお膳立てした。

 コスタリカ戦後にホテルに戻り、スペインとドイツとの一戦を見た伊東は「ドイツでさえ圧倒されていた。(相手)左サイド(の選手)が上がってきた時、良い形でボールを取れて裏を取れればいい」とコメント。しかし、三笘ともども両翼の攻撃が封じられると、日本に勝ち目はなくなる。

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