武田薫
著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

テニス、マラソンの変化についていけない日本メディアの前時代感

公開日: 更新日:

 テニスの「木下グループジャパンオープン選手権」は米国の新鋭ベン・シェルトンのツアー初優勝で幕を閉じた。全米大学体協(NCAA)からプロ転向して1年目の21歳で、先の全米オープンでいきなり4強、父ブライアンは松岡修造と同世代の選手だった。

 錦織圭の欠場、東京五輪金メダリストのズべレフは初戦敗退……それでも客席は想像以上に埋まった。日本のディープなテニス理解を裏付ける光景に、ダニエル太郎も驚いたという。世界ランク97位のダニエルは、西岡良仁(同44位)と共に錦織世代を代表し日米欧に拠点を作った国際派だけに、コメントは参考になる。予選で野口莉央、世界358位と対戦した。

「日本選手のレベルが上がっているのに驚いた。島袋君にしても、国内にかなりの情報と指導力があることが分かった」

 今回は初戦で敗れたが、島袋将は早大卒業後にプロ転向した晩稲ながら、今年のウィンブルドン、全米の予選を突破し、今年ここまでの賞金獲得は3400万円だ。ダニエルはかつて、海外拠点のあるなしで情報の質も量も練習時間も格段に違うと話していた。実際に、錦織、西岡、今回活躍した望月慎太郎のように盛田ファンドの支援を受け、ジュニアの早い段階から米国のアカデミーで研鑽するのが世界への近道とされてきた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  2. 2
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  3. 3
    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

  4. 4
    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  2. 7
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  3. 8
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  4. 9
    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

  5. 10
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間