医療数字のカラクリ
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「ネット研修」に数万円をかける価値はあるのか?
今年4月から「かかりつけ薬剤師」制度が導入されましたが、違和感を感じています。患者さんの投薬・服薬指導をひとりの薬剤師が担当する――。薬の使い過ぎや飲み合わせの悪い薬を避けようとするのは大切なことで…
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「治験ボランティア」のカネとリスク
薬の開発に欠かせない臨床試験(治験)の参加者とは、どんな人たちなのでしょう。まず、健常者を対象にする第1相臨床試験の参加者について説明しましょう。 この第1相臨床試験の参加者は「治験ボランテ…
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厳しい抗がん剤治療 途中でやめた「脱落者」をどう扱うか
抗がん剤の治療は、副作用の影響などで継続が困難になり、最後まで完遂できる人が一部であったりします。ニボルマブ(オプジーボ)の臨床試験で、どれくらいの割合で治療を中止した人がいるのかを見てみましょう。…
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超高額な新薬「オプジーボ」の値段はどう決められたか?
「ニボルマブ」(商品名オプジーボ)のすさまじい高薬価について紹介しましたが、これはいったいどのように決められたのでしょうか。 ニボルマブは、もともと手術不能な悪性黒色腫という皮膚のがんに対する…
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100mgで72万9849円 新薬「ニボルマブ」の驚くべき値段
延命効果があり、従来の抗がん剤より副作用も少ない新薬「ニボルマブ」(オプジーボ)ですが、大きな問題が生じています。 抗がん剤は高価なものがもともと多く、論文において比較対照として使われた「ド…
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“3カ月の延命”の是非 新薬は副作用の点でも優れているか
新しい抗がん剤「ニボルマブ」(オプジーボ)の話題を続けます。平均3カ月の延命効果があるということでしたが、副作用が強い場合は「寿命が延びた3カ月は結局、寝ているだけ」ということです。それでは困ります…
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夢の薬「オプジーボ」のホントの効果とは?
従来の抗がん剤のようにがんに直接働きかけるのではなく、患者さんの免疫に働きかける「ニボルマブ」(オプジーボ)という新しい抗がん剤が話題になっています。抗がん剤治療を変える夢の薬などという人もいます。…
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新薬の開発に「ランダム化試験」はなぜ重要なのか?
治験をはじめ、臨床試験による効果の判定は、試験管内や動物実験から始まり、第1相から第3相にわたる人体実験を経て、ようやく確認されるものです。 特に第2相以降では、偽薬を比較群として設定して、…
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患者は新薬を期待するが治験の「偽薬」はハズレではない
「治験」は、健康な人を対象とした第1相試験に引き続き、患者を対象にした第2相臨床試験が行われます。むろん、患者さんの自発的な参加によって実施されます。 第2相試験では試験薬を飲む人たちばかりで…
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動物実験に治験 数々のステップも事件の歯止めにならない
帯状疱疹治療薬「ソリブジン」は、第1相臨床試験において健常者での安全性が確かめられたあと、初期第2相臨床試験で帯状疱疹患者を対象として1人の死亡者を出しました。にもかかわらず、ソリブジンと死亡の因果…
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帯状疱疹の治療薬「ソリブジン」 本当の効果を検証する
帯状疱疹の治療薬「ソリブジン」は抗がん剤との併用により多くの患者の死亡を引き起こし、発売後間もなく市場から姿を消しました。今回はその効果について考えてみましょう。この薬は抗がん剤の併用さえなければ、…
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治験データ解析不足で副作用 日本の臨床試験での“大事件”
これまで、イギリスとフランスにおける臨床試験にまつわる事故を紹介しましたが、今回は日本での事件です。 1993年、帯状疱疹の治療薬「ソリブジン」を服用した患者が、発売後1カ月で15人死亡した…
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臨床試験は事故を想定しておかなければならない
臨床試験での事故は、いくつか報告があります。2006年、イギリスで抗がん剤の候補であった物質の第1相臨床試験(編集部注=少数の健康な成人を対象に薬剤を投与し、安全性や薬物の体内動態を調べる試験)で起…
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臨床試験では健康な人が死ぬこともある
薬や医療機器の製造販売に関して、法律上の承認を得るための、人での有効性や安全性を調べる試験を「治験」と呼びます。「治療のための臨床試験」を略したものだといわれています。 治験においては、動物…
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ナチスの「人体実験」を忘れないための「ヘルシンキ宣言」
今回からは「人体実験」を「臨床試験」と呼ぶことにします。ここには「敗戦」を「終戦」と言い換えるような“目くらまし”という面があり、むしろ「人体実験」と呼んだほうがいいのではという気もします。しかし、…
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「臨床試験」とはすなわち「人体実験」である
「人体実験」を行うこと自体が倫理的でない可能性がある。これは、実験台になる人に危険が及ぶことを考えれば理解しやすいことでしょう。しかし、逆に「人体実験を行うことこそが倫理的である」という面もあります。…
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人体実験の実施にはいくつもの“科学的なプロセス”がある
「人体実験」という言葉には、何かしら「忌まわしい」イメージが付きまといます。その忌まわしさを一般化すると、「実験台にされる人間はどうなるのか」と言えば分かりやすいでしょう。そこを担保するものが倫理性と…
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科学的でなければ「人体実験」は許されない
「人体実験」なんて言葉を何の説明もなく使ってきましたが、多くの読者は「『人体実験』なんてありえない」――。そんな印象を持つかもしれません。しかし、動物実験をいくら重ねても、人間でどうかということは分か…
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動物実験の結果を人間に当てはめてもいいのか?
自分の治療を決定するための情報は、自分によく似た患者で確認されます。ところが、案外そういう視点を意識せずに、自分とは似ても似つかぬ患者についてのデータを自分に当てはめようとしていることが多いのではな…
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体験談は参考程度 自分にとって最善の治療を見つける方法
何かの病気で治療を始めるときに、誰もが「自分にとって最善の治療を選びたい」と思うでしょう。では、それをどのように見つけたらいいのでしょうか。 体験談をもとに考えるというのは一つの方法ですが、…