医療数字のカラクリ
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医療数字の「平均」半分の人が治るのは・・・
「平均」は最もありふれた指標ですが、実際に利用するとなるとなかなか難しい指標です。 例えば、「かぜは平均4日で治る」という情報があったとしましょう。 多くの人は「平均というのはだいたい…
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かぜは何日で治るのか
ここ半年にわたって、糖尿病、寿命についての数字を紹介してきました。今回からは新シリーズです。ただ新シリーズといっても結局は似たようなものになってしまうかもしれません。そうならないように注意しながら、…
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高齢者は病気と闘う必要があるのか?
人に寿命があるように、がんにも寿命があります。人が死ぬとがんも死んでしまうからです。死んだ人の体では、がんも生き延びることができません。人の寿命はがんの寿命でもあるのです。 「がんとの闘いに負…
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100年前と大差ない75歳の平均余命
1980年に「理想の生存曲線」という論文がアメリカで発表されました。大ざっぱに説明すると、70歳まではほとんど誰も死ぬことなく、70歳を過ぎたところから徐々に死に始め、85歳で半分くらいの人が、10…
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ステージⅢの進行胃がんの告知と85歳の誕生日
「平均寿命」というのは、0歳の人がどれくらい生きるかを示す指標です。それに対し「平均余命」という指標があります。これは、たとえば50歳の人が残り平均何年生きるかを示したもので、2013年のデータでは3…
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日本人の「不健康寿命」は伸びている
糖尿病についての数字のカラクリが一段落しました。今回からは寿命についての数字を見てみましょう。 今年の7月30日に2014年の平均寿命の世界比較の結果が発表されました。日本人は女性86・83…
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運動や食事よりもやりがいのある治療法がある
糖尿病の合併症予防のためには、血糖以上に血圧やコレステロールの治療が重要であると書きましたが、もうひとつとても重要な問題があります。それは喫煙です。 たばこを吸う糖尿病患者さんがたばこをやめ…
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糖尿病の早期発見に意味があるのか?
糖尿病の血糖を下げる治療効果が、薬にせよ、食事・運動にせよ、意外に小さいことを示してきました。ならば、もっと早期に糖尿病を発見すれば効果があるのではないかと思われる読者の方がいるかもしれません。しか…
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食事・運動療法は無理せず長く続けることが大事
薬のことばかり取り上げてきましたが、糖尿病の治療はまず食事・運動です。すべての糖尿病患者に食事・運動療法が勧められます。薬の治療は一部にすぎず、薬で治るわけではありません。今回は糖尿病の食事・運動療…
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糖尿病患者がアスピリンを使う効果と副作用
血液をサラサラにしてくれる薬として広く使われているアスピリンですが、糖尿病患者に対する効果はどうなのでしょう。その前に、そもそもアスピリンが「血液をサラサラにする薬」というのは誰が言い始めたのでしょ…
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血糖より血圧とコレステロールの低下が大切
糖尿病の治療の中で一番重要なのは、「血糖」だと思われているかもしれません。しかし、実際の治療効果を見てみると意外な事実がわかります。 血糖を下げて心筋梗塞や脳卒中が予防できるというデータはな…
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DPP4阻害薬は安全と言えるのか?
現在、最も処方されている糖尿病治療薬のDPP4阻害薬ですが、心筋梗塞や脳卒中を予防するというデータはありません。プラセボ(偽薬)と同等という結果があるだけです。さらに、この薬では驚くべき結果が示され…
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鳴り物入りで発売された糖尿病新薬の効果と害
この連載の最初に少し紹介したのですが、DPP4阻害薬よりさらに新しい糖尿病の薬に、SGLT2阻害薬という薬があります。 この薬は体の中に余分に取り込んだ糖分を尿に捨ててしまうという薬で、“食…
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DPP4阻害薬の効果 ニセ薬と比較して差がないから安全ってなに?
糖尿病の飲み薬で今、最も売れているのは、DPP4阻害薬という薬です。「ジャヌビア」「オングリザ」「ネシーナ」「エクア」などさまざまな名前の薬があり、とても覚え切れません。 こんなに似たような…
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遺産効果の実態 80歳までは変わらない
前回はUKPDS80(英国前向き糖尿病研究80)という論文の結果を紹介しました。新規の糖尿病患者では、最初15年の厳しい治療がその後も“遺産効果”として継続し、25年後に寿命の差として表れてきたとい…
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初期の糖尿病は厳しい治療が重要
糖尿病の厳しい治療に大きな効果は期待できないということを、繰り返し書いてきました。 しかし、それはすでに長く糖尿病の治療を続けている患者の話で、「新しく糖尿病と言われた患者は厳しい治療が必要…
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メタ分析が語る薬による血糖抑制のホントの効果
これまで多くの研究結果を示してきましたが、これらの研究はメタ分析という方法で一つにまとめられています。薬による集中的な血糖コントロールの効果についても、2011年に網羅的なメタ分析が、イギリス医師会…
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安くて効果が優れている薬が普及しないワケ
先月初めに薬品メーカーから多額の講演料をもらっている医師のリストが公表されました。2013年度のデータでは、1000万円を超える額を受け取っていた医師は184人で、最高額は4700万円だったとのこと…
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インスリンはがんを増やす!?
糖尿病患者でがんが多いという事実は、糖尿病そのものによるものと、糖尿病で使われる薬によるものの両方の可能性があります。今回は、薬の種類によって糖尿病とがんの関係がどう異なるかについて検討した研究を紹…
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4つのがんでリスクあり
糖尿病の患者さんで、心筋梗塞や脳卒中などの血管が詰まる合併症が多いことは広く知られています。しかしそれだけでなく、糖尿病はがんとも関連している事実が従来から繰り返し話題になっています。さらに糖尿病の…