B型肝炎で芸術活動を一時休止した 石川ひとみ
<1987年7月>
81年に「まちぶせ」が大ヒットした石川ひとみ。抜群の歌唱力と愛らしいルックスでNHK人形劇「プリンプリン物語」や「レッツゴーヤング」の司会など、歌手以外にも幅広く活動を行っていた。しかし、ミュージカル初出演の目前、87年7月にB型肝炎を発症し、芸能活動を一時休止するまでに追い込まれた。
石川(当時27)がひどい目まいに襲われてダウンしたのは7月22日、ミュージカル「はだかの王様」の稽古に取り組んでいる最中。当時、極度の疲労感に襲われ、手足が非常にだるく、何をするのもおっくうで箸を持つのも面倒なくらいだったという。
そこで医師に診てもらったところ、B型慢性肝炎と診断され、都内の病院に緊急入院した。
初のミュージカル挑戦に張り切っていた石川は「何としても続けさせて」と訴えたが、医師からは「肝硬変に進む恐れが強い」と宣告され、舞台の降板が決まった。
石川が母子感染によるB型肝炎のキャリアーであることは、倒れる3年ほど前の血液検査ですでにわかっていた。しかし、実際に発病する確率は2割程度で、その時は「今のままで大丈夫です」と言われ、同時に3カ月に1度くらいの検査も勧められていた。体調不良によるダウンはミュージカルの稽古に追われ、検査に行けない合間に起きた。