元川悦子
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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

今季初ゴールのデュッセルドルフ田中碧は「あとは見とけよ」と野心をむき出しにした

公開日: 更新日:

 欧州の土曜日は日本人選手の試合が目白押しだ。9月30日に取材したハノーファーからは、ブンデスリーガ1部のヴォルフスブルク-シュツットガルト戦なども移動可能範囲だったが、日本で放送されていない2部に再び注目。デュッセルドルフ-ビーレフェルト戦というカードを選んだ。田中碧とアペルカンプ真大、奥川雅也の3人の日本人選手を見る機会は滅多にない。期待感を持って取材した。

■デュッセルドルフ行きの高速バスに乗ろうとして…

 10月1日の早朝5時半。真っ暗な中、ハノーファーからデュッセルドルフ行きの高速バスに乗るつもりでホテルの出入口を出た。この時間はフロントに人がいないため、部屋にカギを置いてきたところ、外の門を開けるのにカギが必要だと分かり、慌てふためいた。

 建物内は戻れないし、誰か来るまで外に出られない。バス出発時間の午前6時は刻一刻と迫っている。何か打開策はないかと思案している時、中庭の向こう側の門が目に留まった。「もしかしたら出られるかも」と一縷の望みを抱いて壁をよじ上り、飛び降りた際、今後は腰を痛めてしまった。

 結局、そちら側からは出られず、痛みを押して元の場所に戻ると、午前6時少し前に人が出て来て門を開けてくれた。これで中央駅には行けたが、もうバスには間に合わない。

 仕方ないので鉄道に切り替え、49ユーロ(約7000円)の切符を購入。一番早いIC(インターシティ)に飛び乗り、バート・エーンハウゼンという町で乗り換え、午前10時過ぎにデュッセルドルフにたどり着くことができた。

■田中碧とアペルカンプ、奥川が揃って先発

 海外取材はトラブルがつきものだが、お金よりも体のダメージの方が辛い。それは2014年ブラジルW杯で強盗に襲われ、ひじにひびが入った時に痛感したこと。しかし、今回も痛みを押して移動する羽目になるとは考えもしなかった。

 それでも、ラスト数日の仕事をやり切って帰国しなければならない。気力を振り絞って、メルクール・シュピール・アレーナに向かった。

 幸いにして、この日は上記3人の日本人選手は全員先発。9試合終了時点でデュッセルドルフが6位、ビーレフェルトが14位という状況だ。

 デュッセルドルフの方は宇佐美貴史(G大阪)が在籍した18-19シーズンまで1部だったが、20-21シーズンから2部での戦いを余儀なくされている。同年は5位、田中碧が加入した昨季は10位と苦戦していただけに、今季こそは昇格可能性のある3位以内を目指したいところだ。

 彼らの基本布陣は4-2-3-1。田中碧がボランチの一角を占め、アペルカンプはトップ下に陣取った。対するビーレフェルトは4-3-3。今季3得点の奥川は左MFからスタートした。

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