山本一力が一刀両断!耳障りなカタカナ語
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【タイパ】ゆとりを剥がしとる蛮行? アメリカ人の友人はこの言葉を理解できなかった
最終回のテーマ「タイパ」は、今年の新語大賞だという。 「タイムパフォーマンスの略で、費やした時間に対する満足度の大きさを表します」(編集部) 寡聞にして初耳ゆえ、まずは米法律事務所勤務…
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【アイデンティティー】サッカーW杯でのゴミ拾いは、まこと日本人たるよりどころだ
今回で連載32回目。 そのすべての語句を振り返ってみた。 結果、日本人および日本文化とは相いれぬ語が「アイデンティティー」だと確信した。 まず、以下のミキ・リポートを一読願い…
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【フィジカル】半可通が怖くなる置き土産 “性的な”の意味に留意せよ
編集部は言う。 「サッカーのワールドカップでも、この選手はフィジカルが強いですね、などとよく使われました」 日本中に寝不足を強いた2022年の生中継でも、今回のテーマ「physical…
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【バズる】は肝を突く造語 噂が噂を呼び、大きな波を生じさせる
なんだ「バズる」とは。 連載も30回ともなれば、選択テーマも筆者の理解の埒外もありなんとも思うが。 「バズる」は、たとえば「ハモる」のように、「単語+る」で動詞にする、あの手口なのか。…
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【デリバリー】「正調出前」の精神と誇り、蕎麦屋のにいさんの言葉を思い出す
今回のテーマは「デリバリー」だ。 「配達、配送で、フードデリバリーが急速に普及しましたが、いってみれば出前です」(編集部) 大隆盛の現象、出前とは言い得て妙だ。 出前には……6…
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【アウトソーシング 】「今こそ自前で、の思い」からゆえか、農業や漁業に憧れる人はいる
「Outsourcing/アウトソーシング」は、当節のビジネス社会では市民権を得ていよう。 しかし30年前は、まだ限られた業界でしか息づいてはいなかったはずだ。 その雄とも思える業種こ…
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【クラフト】安易に使う前に…飯炊きねえさんの口上としぐさを体得せよ
世に「クラフト○○」が目立つと思っていた矢先。「クラフト=craft」をテーマでと編集部から。 得たりと筆を開いた。 挙げればキリがないほどに「クラフト」を冠した食品・飲料・雑貨など…
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【スティグマ】患者には医師が口にする平易な日本語こそ特効薬
前回もそうだったが。 「スティグマ=stigma」なる語句とも、筆者は無縁で生きてきた。 「こころの病気など精神科領域の記事では差別、偏見といった意味で専門家や医師が使いたがるのでしょう…
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【パラダイムシフト】「劇的な変化」に緩衝材としての役目あり
「paradigm shift」 この「パラダイムシフト」なる語、テーマとならなければ、語意を知ることはなかっただろう。 編集部、いわく。 「常識を覆すような劇的な変化といったこ…
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【アライアンス】「マイレージがイールド(経営効率)を下げる」に覚えた感慨
「言葉は時代の証人だ」と、あの日の担任は生徒に向かって言われた。 1960年の、秋の始まりごろのことである。 小学6年生のホームルームで、「三国同盟」の漢字と「トリプル・アライアンス」…
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北朝鮮のミサイルに【アラート】発令 江戸時代の火の見番は槌に命を賭した
過日は北朝鮮のミサイルが日本上空を飛び越えたと、政府もメディアも「すわっ、J-Alert発令」で騒然。 総理は国家安全保障会議を招集。上空を飛び越えられた青森県では「臨時休校」を決めた学校ま…
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【インフルエンサー】スーパーなどに健在…令和の香具師に幸あれ!
今回はウェブのみならず、テレビニュースの女性アナが「インフルエンサーの働きで……」と口にしたほどに、世に広まっている「インフルエンサー/influencer」だ。 幸いにも高齢のわたしは、こ…
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【シェア】江戸時代の「損料屋」も「太物屋」もシェアを商いにしていた
今回の「シェア」だが。 「割り当て、分担、役割などの名詞で定着」「経済記事では『市場占有率』として使われることが……」と編集部。 わが40代までの販促企画売り込み奔走時代。飲料・家電業…
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【グローバル】今の海は関所だらけ。ジョン・マンは…?
「グローバル=global」なる英単語が大はやりだ。 一語で「世界規模で行われる様子を示す形容詞です」(編集部)。 グローバルだの、Globalだのが目につく昨今だ。 交通機関…
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【リソース】石油危機で辛酸なめた石油会社役員の重い言葉
「リソースとは『資源』ということですが、文脈によって『ヒト、モノ、カネ』などを指すビジネス用語で使われます」 「人材の不足を外部リソースで補う、リソースの不足で新規プロジェクトをスタートできず……
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【サプライチェーン】米国の日常で使わず 原語の意味にこころ寄せて
「次回はサプライチェーンで」と、編集部から連絡を受けた。 「新聞の経済面などにたびたび出てきます。たとえば半導体などのサプライチェーンを強化……などとして」 供給網ということですが、なぜ…
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【ギーク】否定から称賛に変化 江戸時代にも同じような言葉があった
「次回、ギークgeekはいかがでしょうか」 提案されてもまったく未知の語句で、返答に詰まったら。 「当初は日本語のオタクのように、その人物が持つ知識の深さを、否定的に表現する言葉だったよ…
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【スルー】一片の相手への慈しみも感じられぬ…英語には「無視」の意味はない
「今回のスルー(through)は、英語ではおなじみ。日本語ではその派生形がすごい状況です」 編集部は以下の用例を提示していた。 ①抗原検査キットをドライブスルーで(複合語で「通り抜け」…
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【ピークアウト】英語では存在しない…同じ発音で「のぞき」を意味する
連日、コロナ感染第7波の報道しきりだ。 「いまだピークアウトに至ってはいない」 「ピークアウトしたあとの対処が決め手……」 報道ごとに異なるものの「ピークアウト」はだれもが使って…
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【エビデンス】米国人には通じない「会議のエビデンスを送れ」
「エビデンス」を初めて耳にしたのは、米映画「ザ・ファーム/法律事務所」でだった。 トム・クルーズ演ずる新人弁護士に、指導役のジーン・ハックマンが、劇中で「evidence」を連発した。 …