「ビリーズブートキャンプ」が大ヒット ビリー隊長の今は
2007年、エクササイズDVD「ビリーズブートキャンプ」が大ヒット。ビリー隊長の「ワンモア!」「イエス、ビクトリー!」「グッジョブ!!」というアゲアゲな掛け声がインパクト抜群で、一躍人気になった。しかし、いつの間にやらDVDを隅に押しやり、残ったのは元のブヨブヨな体……という向きも少なくないだろう。もう一度、ビリー隊長に教えを請いたいところだが、今、どうしているのか。
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ビリー隊長に会ったのは、東京メトロ東銀座駅直結のビル「歌舞伎座タワー」15階の学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校の事務所。同校の生徒にエクササイズを指導しているという。
「18年にテレビ局のプロデューサー経由で、生徒たちのやる気スイッチを入れるアツイ言葉と小さな達成感を得られるエクササイズを通じ、心と体のトレーニング(ビリーズネットキャンプ)を実施したい、と学校からアプローチを受けたんだ。毎日1分程度の簡単にできる運動の動画を週5回配信、毎週金曜には自宅のあるロサンゼルスからインターネットで、リアルタイム指導をしたりしてきたんだよ」
まずはこう言ったビリー隊長、09年に結婚した14歳下の日本人通訳・知子さんと小学校5年生の娘・アンジェリカちゃんと3人で暮らし、年数回、1週間から10日間のスケジュールで来日しているんだそうだ。
「結婚して1年ぐらい大阪に住んでいたけど、2010年にアメリカに戻ったんだ。テレビや映画の仕事が入り、日本を拠点にするには無理が出てきたからね。アメリカではフィットネスのトレーナーや、俳優としてアクション作品なんかに出ているよ。今はトレーナーとしての仕事に力を入れているから、俳優業はあまりしていないけどね」
ビリー隊長はロサンゼルスでスタジオ「ビリー・ブランクス・ワールドトレーニングセンター」を開設。1人1時間25ドル(約2700円)でレッスンしている。
「朝4時に起きて、5時には家を出る。プライベートレッスンは早朝が多いからね。歌手のジェイソン・デルーロとか有名人も指導しているよ。1日7クラスあって、5~100人の子供から高齢者までを教えてる。あと、UCLAとマウント・セント・メアリーズ・カレッジでも毎週教えてる。帰宅するのは夜9時。休みは日曜だけで、休日はクラスとかで使う音楽をシンセサイザーで作ってる。教えることにベストを尽くしたいんだ」
ビリー隊長自身、見事に引き締まった体で、動きのキレも以前と変わらない。64歳とは驚きだ。
「ボクは1972年ごろにテコンドーとボクシングをミックスさせた『Tae Bo(R)』(タエ・ボー、ビリーズブートキャンプ)の前身を考案して、世界中で公認インストラクターを養成し認定証を与えているんだ。米軍でエクササイズ指導もしていて、欧州、アフリカ、中東……世界106カ国を飛び回っているよ」
ひゃ~忙しそうだ。さぞ、しっかり稼いだろう。そろそろリタイアして、悠々自適な生活を送ろうとは思わないのか。
「教えるのが好きなんだ。生徒たちが変わっていく姿を見ると、やり甲斐を感じるし、みんなからエネルギーをもらえて、自分がクリエーティブにもなれる。おカネはマネジャーらに使い込まれ、裁判を起こしたこともあるんだよ。ボクはフィットネスで人を助ける自分の仕事で頭がいっぱいだったから、マネジャーたちを信用していたんだ」
今は知子夫人がしっかりサポートしてくれているので、安心だそうだ。