著者のコラム一覧
北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

Mrs. GREEN APPLE「コロンブス」は何が問題だったのか? 映画で「奴隷制」を理解する

公開日: 更新日:

 Mrs. GREEN APPLEのミュージックビデオ(MV)「コロンブス」が公開直後にお蔵入りになった。大森元貴ら3人のメンバーがコロンブス、ナポレオン、ベートーベンに仮装し、カリブ海を思わせる洋上の小島で類人猿とパーティーをするという内容だが、猿に人力車を引かせるシーンなどが「植民地支配」や「奴隷制」を想起させるという批判を浴びた。なぜ「奴隷制」が問題となるのか。ここでは「奴隷制」を取り上げた映画を紹介しよう。

 なんといっても定番は「ルーツ」だ。1977年公開時に全米で大ヒットしたテレビドラマ(全米視聴率歴代3位)で、日本でも放映されるや大反響を呼び「ルーツ=起源」という言葉を定着させた。主人公はアフリカ西部マンディンカ族の若者クンタ・キンテ。原作者アレックス・ヘイリーの祖先だ。18世紀後半、奴隷商人によって英領植民地バージニアのプランテーション(大規模農園)に売り飛ばされたクンタ・キンテは逃亡に失敗、足先を切り落とされるがマンディンカの戦士として誇りを失わない。その娘キジーと孫のチキン・ジョージら一族のサーガ(年代記)を描いた不朽の名作で、9時間46分の長尺だが、休日に一気に見たい(BD版がオススメ)。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?