伝統文化の職人たち
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釣り道具でなく工芸品 前田家に仕えた「加賀毛針」の感触
川釣りの楽しみを左右する疑似餌の毛針。それを芸術の域にまで高めた「加賀毛針」は、釣り道具というよりも工芸品に近い。金沢市で作っているのは1軒だけだ。 「先祖は縫い針の製造販売を行っていた町人と…
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「博多鋏」は外国人が噂を聞きつけはるばる買いにくる
そこは博多の中心地にたたずむ昔ながらの日本家屋。看板もない工房に、どこからか噂を聞きつけた外国人観光客が訪れる。ひとり汗を流し、1000度に熱した鋼を叩く。100もの工程があるという「博多鋏」を生み…
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「宮島彫」絶やさぬ努力 脱サラで始めた物産店で店頭製造
今年12月、厳島神社が世界遺産登録されて20年を迎える。観光客は引きも切らないが、「しゃもじ」に代表される宮島細工の継承者は年々姿を消している。 江戸時代の終わりごろ、厳島神社の建設のために…
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日本にたった3人 銭湯を彩る「女性ペンキ絵職人」の矜持
「夏場はクーラーがないから汗だく。体力勝負のところはありますが、完成すると疲れは吹き飛びます」 公衆浴場は年々減っている。それに伴って消えていったのが、銭湯ペンキ絵職人だ。現在、日本に3人しか…
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25年間人々を驚かせた「お化け屋敷」の仕掛け人
総動員数600万人。一度は彼に驚かされたことがある人も多いだろう。25年間、夏の風物詩「お化け屋敷」を仕掛けてきた職人がいる。お化け屋敷プロデューサー・五味弘文さんだ。 「子どもの頃から部屋を…
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繊維を指先でほぐし体も洗える「棕櫚たわし」の価値
最近は100円ショップでも手に入るたわし。日本では、およそ100年前から現在の形になったという。 その原料は、国内で1300年代から植林されていた椰子科の植物、棕櫚だ。縄、ほうき、はけ、漁網…
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世界を驚かせた「鍛冶屋のステーキナイフ」
700年の伝統文化を引き継ぐ「包丁屋」のステーキナイフが世界から注目を浴びている。2013年、フレンチの世界大会で審査員の試食用に使用されたとき、あまりの切れ味に審査員が持ち帰ったといわれるほど。こ…