橋本テツヤの快適老齢術
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実年齢より10歳若いと思い込むと本当に若くなる
世の中には心外なことがあるものだ。心外とは“思いもよらないこと”という意味だが、電車内でスポーツ新聞を大きく広げて読んでいる中年男の隣に座ったときのことだ。何げなく男のほうに首を回すと、男はいきなり…
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男の甲斐性と妻の浮気
「浮気は男の甲斐性だ!」 こんなセリフを吐ける男は何人いるだろうか。毎日、判で押したように決まった時間に家へ帰り、決まった時間に晩飯を食い、決まった時間に寝る。アニメ「サザエさん」に登場するマ…
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老いても円くなれないときは
新幹線の切符売り場で老妻を怒鳴っている高齢者がいた。どうやら乗りたい列車の指定席が取れなかったことを妻のせいにしているようだった。かわいそうに妻はオロオロしている。人は年を取ると性格が円くなるといわ…
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過去の出来事を最近のように感じる 望遠鏡効果を自覚する
元気なときは考えないが、風邪などで寝込んでしまうと気が弱くなり、自分の最期はどのようになるのだろうと考えてしまうことがある。 スイス人の精神科医エリザベス・キューブラー・ロスは、死を予期した…
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「囁きの術」で生存競争に勝つ
日本語はどうしてこうも難しいのかと思うことがある。人と人とのトラブルも話し方が原因となることが多い。ひと言足りなかったり、ひと言多かったりしたことで問題が生じる。その結果、せっかくうまくいっていた仕…
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アラ探しと高級なウソ
以前、家の中で動かない状態が続くと、心身の機能が低下して本当に動けなくなるという「生活不活発病」について書いたが、高齢になって外出がおっくうになると、テレビばかり見てしまう人がいる。面白くない番組を…
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なったつもりで元気を取り戻す
「尊敬する人物は誰ですか?」と聞かれることがある。僕は「自分です」と答える。「尊敬する歴史上の人物は?」と問われたら徳川家康か豊臣秀吉あたりを答えるかもしれないが、そうでない場合は自分を尊敬していると…
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青春に定年はない、夢精もだ
ある会合で「あなたの夢は何ですか?」と高齢男性に聞いてみたところ「夢は見るけど夢はない」と禅問答のような答えが返ってきた。「夢」とは睡眠中にさまざまな物事の現象を感じることと、実現させたい願望がある…
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中年女の下ネタと男の猥談の効能
土曜の昼下がり、ファミレスで仕事の打ち合わせ相手を待っていたときのことだ。隣の席で40歳前後の女4人が下ネタをしゃべっている。聞くともなしに聞いていたが、その内容がスゴイ。 「うちのダンナ、ま…
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「やっかいな嘘」と「かわいい嘘」
会社をリタイアした60代の知人と久しぶりに居酒屋で一杯やったところ、会話の大半が彼の自慢話になった。投資で大儲けしたので新車を買ったとか、ゴルフの平均スコアは80台とかの自慢だ。 会話をはず…
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「終活」の是非 いつ訪れるかわからない死の準備は不要
70代の知人から「スマホデビューしました」とLINEが届いた。スマホが普及したのは6年ほど前だから、今頃? と思ったが、「おめでとう」と返信をした。だが、その後メッセージを送信しても、何も言ってこな…
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「ワハハハハ」と笑うことの効能
先日、千葉県芝山町で「日常的に自分を磨く」という講演を行った。「磨く」という言葉はいろいろな意味を持つ。「歯を磨く」「腕を磨く」「感性を磨く」など多々あるが、何を磨くにせよ、まずは健康でなければ何も…
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“みだらな情念”があるうちはは若い証拠
高齢男性がスーパーで買い物をしている姿をよく見かける。なかなか品物を決められないせいか、陳列棚の前で動きが止まってしまう。周囲の人は買いたい物を手に取ることができなくてイライラしている。財布から金を…
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老人の鼻毛と髭は汚らしい 身だしなみを整える姿勢が大切
男にとって毎日の髭剃りは面倒なものだが、外出する機会のない高齢者になると無精髭を生やす人が多くなる。髭剃りから解放されることは気分的に楽だが、白髪交じりの無精髭は汚らしい。人に会う予定がなくても剃る…
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放屁で分かる幸せの度合い
中高年になると所構わずおならをする人がいる。周囲の人は迷惑顔をするが、おならは誰でもやるのでしかたないと思っているのだ。ことわざに、「屁ひとつは薬千服に向かう」がある。おならは薬を千服飲むほどの効果…
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思い出の女ともう一度
高齢者にとって、昔を思い出すことは脳細胞の活性化に役立つ。思考や創造性を担う「前頭前野」の血流が増加するのだ。人は誰でも過去の楽しかった思い出を頭に描くと幸せな気分になり、喜びや満足感を感じる。また…
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少しのことでキレる 面倒くさい老人にならないために
電車内で席を譲られた70代とおぼしき男が、「俺は年寄りじゃない」と怒っているのに出くわした。人の親切になぜ怒るのか。以前も書いたが、幸せホルモンの神経伝達物質「セロトニン」が不足すると心身のバランス…
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恋愛に年齢は関係ない? 老いらくの恋に走る前に…
かかってきた電話を子供や孫からだと思い込み、大金を騙し取られる事件が後を絶たない。いわゆる「振り込め詐欺」だ。「自分の子供や孫の声を聞き分けられないなんて信じられない。自分は絶対騙されない」と思って…
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「生涯現役」でいるために 毎年新たな自分に生まれ変わる
11日は鏡開き。正月に神棚や床の間に供えた鏡餅を下げて、家族と一緒に今年一年の無病息災を願って、汁粉や雑煮を食べるのは日本の良き風習だ。中高年の中には、新年を迎えるたびにまた1つ年を取ったとため息を…
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新年は改まった気持ちで 「姫始め」に胸をときめかせる
江戸川柳に「かかぁ殿 姫始めだと馬鹿をいい」がある。普段は「おっかあ」と呼び捨てにしている宿六が、正月だからと改まった態度で、女房に「殿」を付けて誘っている。「姫始め」は諸説あるが、一般的には正月2…