和田秀樹 笑う門にボケはなし
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人生はやってみなければ分からない実験の連続 ときにはハズレを楽しもう
セカンドライフは、無理のない範囲で仕事をしながら気楽に暮らそう。そんなことを漠然と考えている人は、少なくないでしょう。私も、講演会や著書では、マイペースでの仕事の継続を勧めていますから、悪くないと思…
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財政破綻した夕張で医療崩壊は起きなかった 最低限の受診で「老衰」が増えた意味
健康診断の基準値を気にし過ぎるのがよくないことは前回、紹介しました。高齢者の専門病院で数多くの患者さんを診察し、解剖結果も診てきた私の経験から、元気にしている高齢者に何らかの病気がない人はまずいませ…
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百寿者には高血圧が多い? 長く元気でいたければ健康常識を疑おう
日本では1954年に世界に先駆けて人間ドックがスタートし、72年には労働安全衛生法が制定され、社員に1年に1回の健康診断が義務づけられています。歴史的に健診大国になったせいか、国民性なのか、その結果…
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定年後の自由時間に飽きたら仕事復帰を 面白さを基準にマイペースで働こう
65歳から20年に及ぶ老後の自由時間は1日10時間として合計7万3000時間ほど。現役時代の総労働時間に匹敵する長さであることを、前回紹介しました。膨大な時間を趣味や旅行などでボーッと過ごすのはもっ…
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老後の自由時間は現役時代の労働時間とほぼ同じ 2、3年で仕事を再開する人も
この連載を楽しみにしている方は、「老後は元気で楽しく」が理想だと思います。私も、そのことに異論はありません。ぜひそうしていただきたいと思っています。 そこで、質問です。老後の時間がどれくらい…
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老後資金が不安なら「介護保険制度」を理解しよう! 等級に応じた給付やサービスが受けられる
コロナ禍が広がる前の2019年、老後資金を巡る問題がクローズアップされました。95歳まで生きるとすると、年金だけでは2000万円不足するという内容で、老後2000万円問題としてご記憶の方もいると思い…
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渋るオムツも受け入れる 認知症の親の問題行動は「ナッジ」理論の声かけで改善する
認知症の親などを介護する人にとって、頭の痛いことが問題行動でしょう。 サイフや保険証などが見つからなくて「だれかに盗られたのではないか」と言い出したり、自宅にいるのに「そろそろ家に帰る」と外…
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認知症の徘徊、自宅で「家に帰りたい」と言い出したときのうまい対応は?
認知症の問題行動のひとつに徘徊があります。介護する家族にとっては厄介な症状ですが、決して多くはありません。 この連載でも何度か説明したように、徘徊は機嫌が悪いときに起こりやすい。呼び寄せ同居…
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認知症の人の“もの盗られ妄想”の対応 正論よりも「一緒に捜そう」で不安に寄り添う
認知症の人は病状が進行すると、妄想を抱くことがあります。その一つが、“もの盗られ妄想”でしょう。 「ここに置いたはずのサイフがない」「知らないうちに通帳の残高が減っている」などと、大切なものが…
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高齢者こそ「目標設定」を!前向きな取り組みが前頭葉のトレーニングに
「頭金分を貯金してマイホームを買おう」「仕事で大きな成果を上げて部長になりたい」「ゴルフでは何とか100切りを!」……。 仕事やプライベートで目標を定めることがあると思います。一つ一つのゴール…
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「冬季うつ予防」に毎朝30分の散歩を! 意識して太陽の光を浴びよう
歴史的な猛暑が続いていますが、朝晩はずいぶんと涼しくなり、秋の気配を感じます。秋の行楽シーズンに向けて旅行などを計画している方は、少なくないでしょう。 さて、今回は秋から冬にかけての外出のス…
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70歳からは「症状」がなければ、健診は無理に受けない方がいいと思う
コロナ禍での感染対策から健診の受診率が下がったことが話題になりました。読者の皆さんは、いかがでしょうか。私の結論からいうと、健診回避の行動が悪いことだと思いません。今回は、健診についてお話ししましょ…
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年齢を重ねると否定的でガンコに…70歳からは「50点主義」がちょうどいい
皆さん、年を重ねて否定的でガンコになったと言われたことはありませんか。老後は、物事の一面しかみない単眼思考やマイナス思考になりがちで、「どうせできっこない」と短絡的に否定的な結論を導く傾向があります…
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親の世代とは事情が違う…子供の就職や結婚を否定してはいけない理由
私は、高齢者専門の精神科医として認知症の方の家族会を主宰し、講演会に積極的に参加しています。その参加者の方から質問を受けると、親の介護に関する悩みが中心ですが、意外と子供についての相談も少なくありま…
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「あれ何だっけ?」を防ぐ 脳のメカニズムを活用した記憶を定着させる3ステップ
「あの人の名前、何だっけ?」……。年を重ねると、認知症でなくても、物忘れの症状が少しずつ現れてきます。その典型が「あれ」「それ」など思い出せないことについて指示代名詞を繰り返すもので、専門的には舌端現…
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元気な老後を過ごすコツ! 夫婦の距離感は詰めず、ほどほどがベター
皆さん、お盆休みは楽しめましたか。夏休みを満喫したという人がいる一方、中には、「毎日、カミさんや親と一緒で正直、しんどかった」と家族サービスのストレスでお疲れモードの方もいるかもしれません。 …
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老いの受け入れが幸せの一歩 85歳以上のほぼ全員にアルツハイマー型認知症の所見
ボケるのは嫌だ。読者の皆さんの中には、そう思っている方がいるかもしれません。しかし、国内外の研究や私自身の知見を総合すると、85歳以上の方の脳にはほぼ全員にアルツハイマー型認知症に特有の所見が見られ…
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実家のリフォームは親が認知症を発症してからだと悪化する
お盆に帰省する人の中には、実家のリフォームを検討している人がいるかもしれません。高齢者の精神医療を専門とする私からすると、大がかりなリフォームは認知症を発症する前の元気なうちに行うことがとても重要で…
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寿命に大きな影響なし? 私が高齢スモーカーに「禁煙」を強く勧めない理由
高齢の患者さんとお話ししていると、たばことお酒について聞かれることがあります。このまま続けても大丈夫ですか、と。そう聞かれたら、私は「たばこもお酒もぜひ楽しんでください」と答えています。 た…
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活動的だった人がうつっぽくなったら 高齢者の健康維持に役立つホルモンの知識
両親には、長生きしてほしい──。多くの子どもはそう願いますが、私は長生きに主眼を置くより、元気に暮らすことを重視すべきだと思っています。脳も体もヨボヨボで長生きするのでは長生きの意味が半減するように…