ルポ「ファミリーレスの老後」を生きる人たち
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兄を焼き殺した過去を持つ男(後編)認知症の症状が現れはじめた
複数の介護施設が入る「福祉総合共生施設なんくる」(沖縄県那覇市)には、元犯罪者に住む場所を提供し自立を助ける「自立準備ホーム・リカバリー」も併設されている。入居者の一人、下地豊氏(仮名:71歳)は兄…
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兄を焼き殺した過去を持つ男(前編)虫も殺さぬ人間が豹変して…
複数の介護施設が入る「福祉複合共生施設なんくる」(沖縄県那覇市)には、元犯罪者に住む場所を提供し自立を助ける自立準備ホームリカバリーも併設されている。そこにはこんな犯罪を犯した人も暮らす。 …
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自立準備ホームでの日々は「いったんは諦めかけた人生」から抜け出すきっかけになった
女性関係に失敗し、全てを捨てて沖縄まで流れ着いた木村雅人(仮名=37歳)。心機一転、人生をやり直すつもりだったが、傷ついた心は容易に癒えることはなかった。 観光客の行き交う国際通りの土産屋で…
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自立準備ホームに救われて…沖縄の高齢者施設で介護職員として働く
3年前に沖縄県那覇市内で窃盗事件を起こし、懲役1年6月、執行猶予3年の罪に問われた木村雅人氏(仮名=37歳)は、現在沖縄県内の高齢者施設で介護職員として働いている。 人生の立て直しをサポート…
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「もう、死ぬしかないのかな…」人情の厚い人間から一転、年上女性との交際で歯車狂う
沖縄県那覇市内にある24時間営業の、とある遊興施設の駐車場。木村雅人(仮名=37歳)は愛車のミニバンを止めて、菓子パンと水だけの昼食を取っていた。2日前の昼からろくなものを口にしていない。財布の中に…
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「ゴミの地層」に家族の歴史を見る…娘は18歳で旅立ち、妻は5年前に死去
親と縁を切りたいと考える人の相談に乗る一般社団法人LMNは、終活全般のサービスを展開している。 蒲田和男さん(仮名=85)の自宅はゴミ屋敷だった。アップライトピアノの上に置かれていた2つの骨…
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ゴミの山から見つかったの2つの骨壺 掘れば掘るほど時間が遡っていく
「親と縁を切りたい」と考える人の相談に乗る一般社団法人LMN──ここには、家族代行サービスのエキスパートたちが揃っている。 2022年夏。東京都江東区の路上にうずくまっていた当時85歳の男性・…
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警察官2人とともに突然現れた父親は認知症を発症していた
「親と縁を切りたい」と考える人の相談に乗る一般社団法人LMN。相談者の、親に対する思いはさまざまだ。 玄関のドアを開けると、スーツ姿の2人の男が立っていた。 「上野警察署の者ですけど、田…
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「親と縁を切りたい」と悩む家族の存在 詐欺被害よりもご近所付き合いを気にかける老母
「親と縁を切りたい」 そう考える人の相談に乗る一般社団法人LMNには、家族に対する重い悩みを抱えた人が毎日のように訪れる。 「私の母は、今でいう発達障害なんです」 テーブルに着く…
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100万円で親と縁を切る 相談にくる人の背景にそれぞれの深刻な事情
2021年5月、NHKのドキュメンタリー番組・クローズアップ現代で、衝撃的なタイトルが躍った。 「“親を捨てたい”というSOS」 番組の冒頭で登場した遠藤英樹氏は、高齢者の身元保証や終…
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「鴬谷デッドボール」は3カ月に1回健康診断を実施 資格取得のサポートまで
風俗業と感染症は切っても切れない関係だ。東京の鴬谷を拠点に展開するデリヘルチェーン「鴬谷デッドボール」では、直営店のキャスト(約300人)を対象に3カ月に1回の感染症検査を義務付けている。 …
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取り組みが「風テラス」と命名され、NPO法人化「限りなくソーシャルワークに近い風俗」
東京・鴬谷に本部を構えるデリヘルチェーン「鴬谷デッドボール」のキャッチコピーは「レベルの低さ日本一の地雷店」だ。かつては「デブ、ブス、ババア」といった直接的な文言でキャストたちの外見を面白おかしくあ…
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鴬谷デッドボールは最後の砦…「今飲んでる?」と服用薬を尋ねる
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが同居する大家族。家の中には、いつも頼れる家族がいて、何でも相談できた。そんな時代がかつてあったらしい。少子高齢化が進み、家族の姿は大きく変わった。頼れ…
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絶対的な個性で営業成績を伸ばす「鴬谷デッドボール」代表の信念
「鴬谷デッドボール」 レベルの低さ日本一をみずから謳うデリヘル店だ。屋号の通り、東京の鴬谷に本部を置く。 〈風俗を止めたい方へ…遊べば夫婦関係円満! 彼女の有難さ倍増!〉 同店の…
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天井から「火災報知器」が落ちてきた…「たぶん、盗撮だと思います」
休憩120分3500円のホテルに入り、例の物を天井に貼り付ける。 ベッドの上に立っても天井までは手が届かないので、いつものようにホームセンターで手に入れたマジックハンドを使う。2つに折るとデ…
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デリヘルと奇妙にもたれ合う街・鶯谷で…東京の片隅に築かれた特異なコミュニティー
デリヘル嬢めぐみさん(仮名=65)は、「この街はさ、デリヘルのおかげで持ってるようなものなんだよ」と言う。 この街。JR山手線の鴬谷駅といえば、すぐに思い出すのがラブホテルだ。数百メートル四…
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65歳のデリヘル嬢は「生活に困っているから鶯谷に通うわけではない」と言った
周囲を盗むように見回して、めぐみさん(仮名=65)は言った。 「あれも同業、あっちのあの娘も同業だね」 めぐみさんはこの道5年のデリヘル嬢だ。東京都台東区、JR鴬谷駅の北口を出て、線路…
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「半地下経済圏」の家族的つながり 敷金、礼金、住民票、保証人が不要の部屋に住む人々
高齢デリヘル嬢のゆかりさん(68・仮名)。九州での結婚生活に見切りをつけて京都に来てみたもののうまくいかず。次は東京で風俗の世界に。 「あたしがおフェラをして、あき姐(ねえ)が男の乳首をなめた…
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高齢デリヘル嬢「仕事もよく分かんない男。酒飲んじゃよくひっぱたかれた。だから捨ててやったんだ」
68歳になる、高齢デリヘル嬢のゆかりさん(仮名)は取材を重ねたある時、20年前の結婚生活の終焉について語った──。 とろり、とろり。今にも切れそうな眠りの糸をやっと手繰り寄せ始めていたのに、…
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68歳のデリヘル嬢が語る常連客の思い出「おむつのパパは8年前に92歳で死んじゃった」
「90歳を過ぎてても勃つんですか」 「勃つよ」 「出る?」 「出るよ、透明なのがにゅるって」 どうしても小声での会話になってしまう。 JR池袋駅の西口近くのコーヒーシ…