上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」
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「寒い住まい」での生活は心臓に大きなダメージを与える
“最強”といわれた寒波はピークを過ぎたそうですが、厳しい寒さはまだまだ続く見込みです。 これまで何度かお話ししてきましたが、「寒さ」は心臓にとって大敵です。気温が低い環境では、われわれは血管を…
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「マイクロプラスチック」はなぜ心臓病のリスクになるのか
マイクロプラスチックが心臓疾患のリスクをアップさせる──。昨年、医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表された最新の研究です。われわれの体内に侵入して蓄積されたマイクロプラス…
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現代社会のストレスを軽減して心臓を守る「祈り」のすすめ
現代は、技術の発展がますます進み、驚くほど便利で暮らしやすい生活が実現しています。その一方、競争、管理、人間関係などのストレスが顕在化した「ストレス社会」ともいわれます。実際、内閣府が15~74歳の…
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「心臓震盪」による突然死を防ぐにはAEDが欠かせない
「心臓震盪」と呼ばれる病態があります。胸部に受けた衝撃が原因で、直後に心臓が不規則にけいれんする心室細動などの致死性不整脈を起こして心停止に至り、突然死を招くものです。 野球、ソフトボール、サ…
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日本における心臓移植は外科医の育成そのものも欠かせない
前回、日本における心臓移植の現状と課題について取り上げました。日本では、スタッフ不足などで移植手術の実施態勢が整わなかったことが原因で、不足しているドナーから提供された心臓の移植手術が見送られた事例…
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日本の心臓移植はどうあるべきか…あらためて議論するべき
昨年6月、脳死した方から提供された心臓の移植手術が見送られた事例が2023年に計16件あったという調査結果が日本心臓移植学会から発表されました。この調査は、心臓を含む臓器移植手術の実績上位の東京大、…
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「AI心臓エコー検査」は医療者も患者も負担が少なくなる
去る11月、順天堂大学とエムスリーAI株式会社が共同で実施した「AI(人工知能)を用いた心臓エコー検査の効率化を実現した研究」が、AHA(アメリカ心臓協会)の最新科学トピックに採択され、現地で発表が…
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「水」が病気予防や健康維持に有効なのは本当なのか
ここ40~50年の間で、日本人の健康意識は大きく変わったという印象があります。病気予防や健康維持をはじめ、アンチエイジングなどにも関心を持つ人が増えていますし、実際、野菜の産出額が2兆2294億円(…
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「鉄分」が不足すると心臓にとって大きなマイナスになる
「鉄分」の不足は心臓の健康に悪影響を及ぼします。たとえば、慢性心不全の患者さんの30%以上は鉄分不足で起こる鉄欠乏性貧血が合併していると報告されていて、貧血を合併している人は、貧血が合併していない人と…
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不整脈に対する「重粒子線治療」の期待と課題
重粒子線で不整脈を治療する--。国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構で、そうした研究が進んでいるといいます。 重粒子線とは放射線の一種で、炭素イオンを光の速さの70%まで加速したものです…
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“冷凍アブレーション”も登場…心房細動の治療は進化を続けている
これまで何度もお話ししてきましたが、高齢化が進む日本では「心房細動」の患者さんが増えています。現在、日本の心房細動患者は80万人といわれ、2030年には100万人を突破するとみられています。 …
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カテーテル治療かバイパス手術か…慎重な選択が命を守る
心臓治療の“入り口”は、手術を行う心臓血管外科ではなく、循環器内科です。心臓トラブルが起こった場合、まずは循環器内科で検査や診断が行われてから治療がスタートするケースがほとんどです。 中でも…
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アトピー性皮膚炎がある人は心臓血管疾患のリスクがアップする
アトピー性皮膚炎は血栓症のリスクをアップさせる--。デンマークで行われた大規模調査の報告です。とりわけ、アトピー性皮膚炎がある65歳以上の高齢者や血栓症の既往がある人は、アトピー性皮膚炎ではない人に…
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年をとったら「抗凝固薬」のタイプと使い方に注意を払う
前回、高齢になったら効き方や副作用のリスクをあらためて注意すべき薬についてお話ししました。加齢によって腎臓などの臓器の機能が衰えると、薬の効き方が変わったり、副作用の危険がアップするケースがあるので…
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ずっと飲んでいる薬でも高齢になったらチェックして注意する
漢方薬を長期間ずっと服用し続けている場合、高齢になったときに思わぬ副作用や弊害が現れるケースがある──。以前、そんなお話をしましたが、これは一般的な薬=西洋薬でも同様です。 若い頃からずっと…
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心臓疾患の労災認定が増加中…職場で命を守るポイント
近年、「働き方改革」が大きな話題になっています。2013年ごろから過労死や過剰労働による職場での事故などが世界的な問題となり、国連が長時間労働や過労死の是正を求めたこともあって、日本でも働き方改革に…
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「騒音」は考えている以上に心臓に悪影響を及ぼす
「騒音」は心臓にとって大敵になる──。今年8月末から英国のロンドンで開催された欧州心臓病学会年次総会で、そんな新たな研究が発表されました。 ドイツのブレーメン心臓血管研究所に急性心筋梗塞で入院…
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急激な気圧の変化は心臓に大きな負担がかかる…季節の変わり目は危ない
暑かった夏がやっと終わったかと思えば、一気に秋が深まってきました。こうした季節の変わり目などにみられる急激な気候の変化は、心臓にとって大きな負担になります。 その大きな要因になるのが「気圧」…
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「漢方薬」は高齢になってから深刻な弊害が生じる危険がある
一時期のようなブームは落ち着きましたが、日本では「漢方」が根強い人気を誇っています。天然由来である漢方薬は、西洋薬に比べて一般的に副作用が少ないとされていて、安心・安全なイメージがあることが大きな理…
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急増中の「梅毒」は心臓にどんなトラブルを引き起こすのか
ここ数年、「梅毒」の感染者が爆発的に増えています。NIID(国立感染症研究所)の報告によると、1990年代以降は患者数が年間1000人を下回っていましたが、2011年ごろから増加の一途をたどり、20…