金子勝の「天下の逆襲」
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東電、経産省、ゼネコン…3者が得する“原発システム”
福島第1原発を囲っている「凍土遮水壁」は完成したはずなのに、地下水の流入量は変わらない。99%は凍っているという報道が繰り返され、凍らないのは“バケツの穴”程度というニュアンスで広がっているが、1%…
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日銀とGPIF 「官」が上場企業の大株主という異常事態
3年半も「異次元の金融緩和」を続けた結果、日本銀行の国債保有額は400兆円に近づき、ETFと株式の保有額も8兆9000億円に達している。問題は、そのために、国債市場も株式市場も機能不全に陥りつつある…
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自民党はもはや「保守」ではなくなった
天皇陛下が生前退位の意向を示唆された。8月8日付の産経新聞は世論調査を行い、生前退位に必要ならば「憲法改正してもよい」という回答が84・7%に上ったと報じた。天皇陛下の「お言葉」を政治的に利用し改憲…
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政策に疑問符 ほとんど思いつきに見える小池知事の公約
都知事選は事前の予想通り、小池百合子が当選した。しかし、本当にこの結果でよかったのだろうか。 彼女の本質は、EU離脱をあおりながら保守党党首選に出馬しなかった英国のボリス・ジョンソンや、米国…
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都知事選 有権者は“困りごと”を候補者にぶつければいい
都知事選がスタートした。出馬を取りやめた弁護士の宇都宮健児が「政策本位の選挙ではなく、知名度争いになっている」と指摘していた。その通りだろう。 自民党が担いだ増田寛也は、岩手県知事を3期務め…
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欧州の金融危機と日本の年金資産の行方
イギリスのEU離脱はいまだに迷走中だ。「離脱派」の旗手で次期首相候補の大本命だった保守党のボリス・ジョンソン前ロンドン市長(52)が、党首選への不出馬を表明した。ボリス・ジョンソンは、「主権を取り戻…
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マイナス金利で「安定資産」ではなくなった日本国債
今年2月、日本銀行はマイナス金利を導入した。それ以来、日本国債の流通利回りもマイナスに転じ、満期5~40年まで幅広く過去最低を更新している。これでは、銀行は満期まで保有していれば、損失が出てしまい、…
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批判噴出 「安倍1強」は崩れ始めたか
「2017年4月には必ず増税する」――という公約を破って安倍首相が消費税増税の再延期を決めた。1年半前「増税できる経済環境をつくる」とタンカを切った、あの約束はなんだったのか。 アベノミクスの…
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岡田代表 消費税増税の再延期を迫ったのは正しいか
民進党の岡田代表が党首討論で「消費税増税は再延期すべきだ」と、安倍首相に迫った。 たしかに、この経済状態だけに増税はやめるべきだという声は根強いし、参院選を控えた選挙戦術として、安倍首相が再…
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奨学金の返済に苦しむ若者たち
18歳に選挙権が与えられる。この間、若い人は社会の犠牲になってきた。もちろん“下流老人”も大きな問題だが、社会の歪みが、10代、20代、30代に重くのし掛かっている。とくに格差の拡大、貧困問題は限界…
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消費税増税の再延期なら総辞職が当然というもの
新年度に入った4月1日の株価は、594円安の1万6164円と、大幅下落だった。 決算日である3月31日を乗り切るために、日銀は異常な金融緩和とETF購入で必死に株価を買い支えた。決算日を過ぎ…
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原発事故避難計画の“数値”には仰天だ
高浜原発3、4号機の“運転差し止め”を命じた大津地裁の判決について、メディアの掘り下げ方が足りないと思う。 大津地裁の決定は、水俣病判決の法理に基づいていて、とても良くできている。大津地裁は…
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本当に雇用は良くなっているのか 裏に“数字のトリック”あり
安倍首相の大きな特徴は、自分に都合のいい数字だけを取り上げ、しかも都合のいいように解釈することである。 安倍首相は「アベノミクスによってデフレから脱却する」と胸を張っていた。だから、目標は消…
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建設40年の老朽原発を再稼働させていいのか
安倍首相の暴走が止まらなくなってきた。なにをやっても支持率が落ちないと、公然と改憲を口にし始めた。 実際、甘利大臣が「政治とカネ」で辞任しても、閣僚が暴言失言をしても、株価が下落しても、安倍…
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現状を打破するパワーを失った日本社会
安倍政権は“マイナス”だらけだ。日本銀行が導入したマイナス金利だけではない。消費者物価は0.1%とわずかにプラスになったが、企業物価はマイナス3.6%と8カ月連続マイナスが続く。2人以上世帯の家計消…
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内部留保の“中身”で分かる 企業の水膨れ経営
この株価の動きは異常だ。年頭からの2週間で3000円近く下げたと思ったら、先週末は1日で900円も上昇。株式市場としてのシグナル機能が壊れてしまったかのようだ。ほとんど投機相場である。外国人投資家が…
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安倍首相「挑戦」連発の前に宿題を果たせ!
「挑戦、挑戦、そして挑戦あるのみ。本年は未来へと果敢に挑戦する」――。4日の年頭記者会見で「挑戦」という単語を24回も連発した安倍首相。新しいことに挑戦することは、決して悪いことではない。しかし、この…
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軽減税率は低所得者対策になるか
いったい安倍首相は、何をやりたいのだろうか。 たとえば「軽減税率」問題である。消費税率を10%に引き上げる際、税率据え置きの範囲をどうするか自公協議が連日行われ、結局「外食」は対象外となった…
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日本も「第3次世界大戦」に巻き込まれてしまうのか
2014年9月、ローマ法王が「まるで第3次世界大戦を見ているようだ」と語っている。いま中東から北アフリカで起きていること、そしてイスラム過激派によるテロは、新しい形の「世界戦争」と考えていいかもしれ…
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人口1億2000万人中5000万人が働けない日本社会
安倍政権が新たに掲げたスローガン「1億総活躍社会」は、相変わらず評判が悪い。 実際、「国民会議」を設けて上から目線で国民を総動員する発想では、うまくいくはずがない。ボンボンの安倍首相は、国民…