DV、過食、顔面マヒ…中島啓江さんが乗り越えた壮絶人生
「4オクターブの美声が素晴らしかった」「DVや過食症に苦しむ人たちを勇気づけ、支えとなった」などと、さまざまな声が上がっている。23日、呼吸不全のため、57歳で亡くなったオペラ歌手・中島啓江さんのことだ。
TVのバラエティーでは、ふくよかな容姿と明るい笑顔でお茶の間に親しまれていたが、その人生は壮絶そのもの。著書「答えは、YES!~ビッグ・ママからのメッセージ」などによると、故郷の鹿児島では、実の父親から日常的に殴り蹴られるDVに苦しみ、母と逃げ回りながら、怯えて育った。酒に酔っては家庭内暴力をふるう最悪の父親だったようだ。
それでも苦学して昭和音楽短大を出て、1979年にオペラ歌手としてデビュー。宮本亜門演出のミュージカル「アイ・ガット・マーマン」などに出演し、脚光を浴びるも、幸せは長くは続かない。一番の理解者だった最愛の母は97年に亡くなり、揚げ句、「金くれ」と父親が中島さんの家に上がりこんできたという。
その過度のストレスから過食症に顔面神経まひ、メニエール病と、さまざまな病にかかり、2010年ごろには、165センチの身長に、160キロ超の体重になっていたという情報まであった。