一流料亭でバイトの日々…俳優・神保悟志さんの下積み時代
テレビ朝日の人気シリーズ「相棒」で大河内春樹監察官を演じ、最近はバラエティーでも活躍している神保悟志さん(52)。下積み時代に極貧を経験、食うや食わずでも役者になる夢があったからつらくはなかった――。
そりゃ、役者として芽が出るまでは貧乏、貧乏でしたよ。
静岡の高校を卒業し、横浜で歯科技工士になるための専門学校に2年間通ってから東京に出てきました。最初は渋谷区猿楽町にあった「劇団俳小」っていう俳優座の分派の方たちが立ち上げた劇団の養成所に通い始めた。でも、両親には「普通の歯科技工士より高い特別な技術を身に付ける学校に通う」とウソをつき、「学費に」ともらった20万円を養成所に支払ったんです。
その罪悪感がすごかったから、これ以上両親に迷惑をかけまいと生活を切り詰めました。世田谷区若林の4畳半1間の家賃2万円のアパートに2年間住み、その後は新中野の月1万5000円のアパートに5年間。
当然、古くて風呂なし、共同トイレ。壁は薄くて隣の部屋の声は丸聞こえ。窓はサッシじゃなくて木枠だし、畳も古くて、歩くときしむんですよ。それでも、部屋には寝に帰るだけですから、気になりませんでした。