一流料亭でバイトの日々…俳優・神保悟志さんの下積み時代
つらかったことといえば、風呂に入れなかったことかなあ。ジムに行けばシャワーを浴びられたけど、ジムに行けない日もあったから。バイトから帰るのが遅い時間だと、銭湯の営業時間は終わってるじゃないですか。仕方がないから、人のいないときを見計らって、共同の長い流し台の栓を閉め、蛇口を開けて水をため、そこに体を横たえて入っていました(笑い)。もちろんお湯なんて出ませんから、冬は寒かった。
新中野の後は2間ある阿佐ケ谷のアパート。風呂も付いて月6万5000円でしたから、清水の舞台から飛び降りる覚悟でした。もう27、28歳になっていたし、そろそろいい所に住んでその器にならなきゃって勝手に思ったんです。それが良かったのか、29歳で正式にデビューできました。
▽じんぼ・さとし 1962年12月、静岡県生まれ。人気シリーズ「相棒」に03年のseason2から、大河内春樹監察官役で出演し、人気獲得。2月6日、フジテレビ系、赤と黒のゲキジョー スペシャルドラマ「瀬在丸紅子の事件簿~黒猫の三角~」(21時~)に出演。