著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

「五感で愉しむR&B」が一夜限りの復活 6が並ぶメロウな木曜日、ぜひ六本木に足を運ばれたし!

公開日: 更新日:

■「世界一ラグジュアリーなソウルバー」

 07年にかのスティーリー・ダンがこけら落としを務めて以来、バート・バカラック、井上陽水といった錚々たるアーティストが立ってきた国内屈指のラグジュアリーなステージに、まさかのアップグレードときたもんだ。同所は3フロアの吹き抜け構造にして、客席はおよそ300。そんな空間で「ぼくのリビングルームにようこそ」と言い張るのはさすがに無理筋だろう。再開にあたってはコンセプトを「世界一ラグジュアリーなソウルバー」と上方修正した。

 それでも「場が持たないよ~」と弱音を吐くぼくを慮ってくれた久保田利伸、鈴木雅之、黒沢薫(ゴスペラーズ)といったこの国のR&Bの大立者から若手実力派ミュージシャンまでが、次々とサプライズ出演を買って出てくれたおかげで、夜間授業はなんとか再び軌道に乗る。最終回にたどり着いたのは、なんと開講から3年半後の22年5月だった。

 ところでこのイベントをなぜ〈夜間授業〉と呼ぶのか。話は17年にさかのぼる。ジャンルを越境する批評活動で知られる片山杜秀・慶應大学教授が、夜の文藝春秋社屋を教室がわりに「日本の近・現代史100年を彩った11人の思想家」というテーマの〈大人の夜間授業〉を展開していたのは、知る人ぞ知る話。ぼくは受講者のひとりだった。その企画者である西川清史・文春副社長は程なくして同社を退職するが、19年、フリーのプロデューサーに転身した彼が「松尾さん、次は講師をやってみませんか」と声をかけてくれたんですね。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出