もっと知ろうよ船橋ケイバ「船橋競馬 不世出の名馬 トーシンブリザードを偲ぶ」
今開催の船橋ケイバは変則日程で、9月1日(水)から4日(土)までの4日間。重賞は組まれていない。
さて、前開催のこのコラムでは現在、船橋にはカジノフォンテン、アランバローズ、キャッスルトップと3頭のJpnⅠの勝ち馬がおり、秋の結果次第でいずれもがNARグランプリの有力候補と書いた。
そんな中、飛び込んできたのが8月18日、船橋の生んだ名馬トーシンブリザード死亡のニュースである。
あらためて成績を振り返ると、トーシンブリザードは地方競馬にとって不世出のスターホースだった。
というのも、カジノフォンテンは今年、川崎記念、かしわ記念と2つのJpnⅠ競走を制した。
アランバローズは全日本2歳優駿でJRA勢を一蹴して、今年は東京ダービー(これは南関東所属馬によるSⅠ競走)にも勝利。
キャッスルトップは初の重賞勝ちがジャパンダートダービー。鮮やかな逃げ切りでジャイアントキリングを演じた。
だが、トーシンブリザードは……。
2000年にデビューして、3戦3勝で全日本3歳優駿(当時)を制覇。01年にはさらに快進撃を続けて、京浜盃、羽田盃、東京王冠賞、東京ダービー、ジャパンダートダービーまで8戦8勝である。
その中で羽田盃、東京王冠賞(現在は廃止)、東京ダービーは南関東の3冠レース。1989年ロジータ以来となる3冠馬であり、無敗での達成は史上初めて。さらにジャパンダートダービーまで勝って4冠を達成したのだから驚く。
ちなみに、南関東所属馬によるジャパンダートダービー勝ち馬で比較すると、99年オリオンザサンクスは4冠のうち、東京王冠賞を③着と落とし、07年のフリオーソは羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービーを③②①着、17年ヒガシウィルウィンは②①①着と羽田盃を落としている(3冠皆勤の馬以外は省略)。
残念なことにトーシンブリザードはその後に骨折。復帰戦となった暮れの東京大賞典③着で連勝はストップしたが、翌年は中央に挑み、フェブラリーSでアグネスデジタルの②着。ダイオライト記念⑤着のあと、かしわ記念を制した。
この時はまさか、あのトーシンブリザードがこの後、18戦連続で敗れる(②着が2回、③着が4回)とは思いもよらなかったが、かしわ記念までの成績は、カジノフォンテン、アランバローズ、キャッスルトップを足しても及ばないもの。
今はただただ、23歳で死亡した船橋の不世出の名馬を偲びたい。
■外部リンク 船橋ケイバ 公式サイト