もっと知ろうよ船橋ケイバ「記録にも記憶にも残る 平成20年日テレ盃」
超ハイペースがつくった日本レコード
今開催の船橋ケイバは9月27日(月)から10月1日(金)までの5日間行われる。メインは29日(水)に組まれているJpnⅡの日本テレビ盃だ。
現在、船橋競馬場で設定されている距離は千、千二、千五、千六、千七、千八、二千二百、二千四百メートルの8種類。かつては八百メートル戦や、内コースから発走の千四、3コーナーポケット発走の二千も行われていたが、近年は組まれていない。
今でも使われている距離の中で、レコードが最も多く出た年が平成20年で、今でも3つの距離でその数字、馬名が残っている。
千メートルは57秒5でスパロービート(12月11日)、千二は1分11秒5でスカーレットオペラ(7月22日)、そしてもうひとつは千八だ。ボンネビルレコードが日テレ盃で1分47秒8という驚異的な時計をマークした。
レースは武豊ナンヨーリバーが逃げたが、その内から石崎駿ナイキアディライトが絡み、1番人気の川島正フリオーソが3番手。いくら当日のダートが走りやすい状態だった(発表は不良)とはいえ、前半3F通過が33秒4で、5Fは57秒5の超ハイペースだった。
フリオーソは4コーナーで先頭をうかがい、その外からボンネビルレコードが迫る。直線は2頭の追い比べで、的場文ボンネビルが4分の3馬身差で競り勝ち。JRA勢は前年のフェブラリーS馬サンライズバッカスが出走していたが、フリオーソから5馬身も離された③着が精いっぱいだった。しかも、サンライズは57キロ、ボンネビル、フリオーソはともに58キロを背負ってのものだけに価値がある。
さらに凄いのはこのレースの千六通過のラップタイムだ。勝ちタイムから発表されているラスト1Fの数字「13秒3」を引くと1分34秒5。アブクマポーロが平成10年に記録した千六のレコード=1分35秒4を大きく上回る。前半から速いペースを好位で進み、ラストは踏ん張り合いという、ダートの本場であるアメリカのような競馬だった。
結局、船橋ダート千八のレコードを21年ぶりに塗り替えただけでなく、JRAも含めても日本レコード。この年の地方のベストレースと言っても過言ではない。
前走はともに帝王賞。この時は①着フリオーソで、②着がボンネビルレコード。その前のダイオライト記念でも同じ結果で、ようやくここで宿敵を負かしたことになる。
ただし、この後、2頭の明暗は分かれた。
負けたフリオーソは当時4歳で、ここからさらにタイトルを上積みするが、6歳だったボンネビルは10歳暮れまで走り、②着が3回、③着が5回あるが勝ち鞍はなし。それでも名前の通り、“レコード”を残したと同時に、オールドファンには記憶に残る日テレ盃となっている。
■外部リンク 船橋ケイバ 公式サイト